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新安保法案 ゴリ押し

2015年09月25日 | 地域
憲法違反法案が衆議院に続いて参議院でも強硬採決された。秋田弁護士会では9月19日に抗議する会長声明を出した。シェアさせてもらう。以下はその全容。

保法制改正法の成立に抗議する会長声明

2015年9月19日 公開

 参議院本会議において,自衛隊法,武力攻撃事態対処法,周辺事態法,周辺事態船舶検査活動法,国連平和維持活動協力法など10件の防衛関係法律を改正する「平和安全法整備法」,及び恒久的な自衛隊の海外派遣を内容とする新規立法の「国際平和支援法」(以下,これらを総称して「本法」という。)が,本日可決,成立した。
 当会は,本法の数々の問題点と共に本法が憲法第9条の恒久平和主義に反して違憲であり,憲法改正手続を踏むことなく憲法の実質的改正をしようとする点で国民主権の基本原理にも反しているとして,本法案の廃案を求める会長声明を、本年5月21日,7月16日,9月14日にそれぞれ発してきた。
 本法については,圧倒的多数の憲法学者のみならず,歴代の内閣法制局長官,元最高裁判所長官、元最高裁裁判官も違憲性や法案の問題点を指摘していたばかりか,75名もの元裁判官が連名で反対声明を発表していた。また,国民の間でも,本法が憲法に違反しているとの理解と,日本が他国の戦争に巻き込まれるのではないかとの懸念が広がり,それに連れて,年齢や立場を超えた市民各層による反対運動が全国各地で盛り上がりを見せている。各種世論調査においても,本法に反対又は少なくとも今国会での成立を強行すべきではないとする意見が国民の過半数を占めるに至っていた。
 このように,多くの国民及び有識者から反対の声があったにもかかわらず,最高法規である日本国憲法に違反する本法を採決したことは,国民主権を無視し,わが国の民主主義を根底から覆す暴挙である。
 当会は,政府・与党が衆議院及び参議院において本法の採決を強行し,可決,成立させたことに対して,強く抗議するとともに,今後は本法の廃止に向けて引き続き取り組んでいくものである。

                 2015年(平成27年)9月19日
                          
                  秋田弁護士会
                   会長 京 野 垂 日

真人山のヒメシャガ

2015年09月05日 | 地域の山野草
真人山は標高391m。真人公園は、大正天皇即位記念事業として大正6年(1917)旧増田町が整備した。「真人」の名称は平安時代中期の武将「清原真人武則」の居城があったとされる。

先日、FBで「雄勝野草の会」の酒井さんが子供たちを案内し登頂した記事に触発され、初めて挑戦した。公園から西国33観音遊歩道を登っていく。天下泰平を祈り建立された観音像に文久の年号があった。文久(1861-1864)は明治の4年前になる。

駐車場の標高が137ⅿ、頂上までの標高差が254ⅿを登る。遊歩道は整備され歩きやすい。登り始めから「ヒメシャガ」が張り付いている。真人に「ヒメシャガ」があることは数年前から知ってはいたがあまりの多さにビックリした。なにしろ公園の上り口から頂上までの遊歩道沿いにびっしりといってよいくらいある。遊歩道の草刈作業が行われていて刈られた「ヒメシャガ」が痛々しい。年に数回の草刈作業が行われるためか季節外れの花が咲いていた。

遊歩道両側のヒメシャガが草刈機で刈られていた

福島県の郡山市公式ウェブサイトに『元禄2年5月1日(西暦1689年6月17日)松尾芭蕉と曾良は、「奥の細道」紀行で安積山を訪れ、「古今和歌集」の「みちのくの あさかのぬまの 花かつみ かつみる人に 恋ひやわたらん」を想い、「花かつみ」を尋ね歩いた』という。
『明治9年6月17日、明治天皇の東北巡幸の際日和田の安積山の麓、横森新田のご休息所で、花かつみを「菖蒲に似て最(いと)些小(ちいさ)とはき花」なるヒメシャガを花かつみとして天覧に供しました』。以後、「ヒメシャガ」が「花かつみ」とされ、昭和49年郡山市の花に制定されている。(引用)

「ヒメシャガ」は秋田県、環境省レッドリスクに準絶滅危惧(NT),になっている。準絶滅危惧(NT)とは「現時点では絶滅危険度は小さいが、生育条件の変化によっては絶滅危惧集種に移行する可能性のある種」となっている。地域の人にとっては極めて日常的な光景かもしれないが、真人山の「ヒメシャガ」のおびただしい群落は誇れる地域の財産と思える。保護、育成を重視して草刈機での刈り取りは控えることも必要なことかも知れない。「ヒメシャガ」(姫射干)の花期は普通5月から6月、遊歩道側が「ヒメシャガ」で覆いつくされる姿を想像する。 

 季節外れ?のヒメシャガの花

「イチヤクソウ」は花が終わり、その姿を残していた。ツツジ科イチヤクソウ属の常緑の多年草。原色和漢薬図鑑のよれば「鹿蹄草」に「イチヤクソウ」名を充てたのが通説になっていると云う。薬草として日本では「一薬草」とも称して流通している。和名の由来は、花期の全草を乾燥させてものが民間薬とされたためという。

花の終わった「イチヤクソウ」

一瞬「ツリガネニンジン」と思ってよく見ると葉がまるで違う。おかしなもので遊歩道から1mも離れていない所にその花があった。登るときには気がつかず、帰りに見つけた。幸い一株の所から2本枝が出ていたので花の部分を一本摘んできた。帰ってから図鑑で調べたら「クサボタン」という名だった。クサの名がついてはいるが茎の基部が木質化している。葉がボタン(牡丹)に似ているからその名がついた。有毒植物で「茎、根、葉など、ほぼ全体にプロトアネモニンを含んでいる。肌に付くと火ぶくれ状の皮膚炎を起こす。誤って飲食すると、口の中を焼け付きような痛みが襲い、胃腸はただれ(胃腸炎)、血便が出る」とある。有毒な植物の花言葉が「安全、無事」とあって苦笑いする。花が釣鐘形している。


 上真人山のクサボタン 下拡大のクサボタン(川連町内沢)

真人とは「まうと、しんじん」等身分の高い人や真の道を極め、完全な道徳を身につけた人と解釈されている。高貴な名がついた山、地元の亀田地区では毎年元日登山が昭和42年から続けられていると云う。三吉神社前から眺める平鹿平野は圧巻だ。

三吉神社前 アカマツの間から十文字方面