今までは同じ秋田にいても、今はコメつくりだけになったが「コメと酪農」を営む我が家で「大曲の花火」は他人事で、近年のテレビ放映で身近に感じていたにすぎない。今回直接鑑賞の機会に恵まれたのは、友人のS君が仕事の上で紹介した「観覧席券」(入場券)が当日になって予定した人が来ることができなくなってしまった。「観覧席券」がもったいないから、「一緒に行かないか」のTELが入ったのは花火競技大会当日の昼ごろのことだった。
結果的にそんなことで、「大曲の花火」を生涯初めて目の前で観覧できることとなった。そしてプログラムと鑑賞券がいただいた。この観覧席は畳2畳分で6名まで21,000円というのだからなかなかの料金であるし、近年フアンが増えな抽選でも手に入れることも難しいくらいのものと云われている。
会場案内図 1ブロックから7ブロックまである
午後4時30分頃の観覧席2ブロック30614席から3ブロック30000番席方向
有料入場者は一体どのくらいだろう。推定で14、5万人か。会場の河川地には無料席もあるから20万人も超えるのだろうか、想像もつかない。いづれにせよ報道によれば76万人がこの会場の周囲に散らばっていることになる。ともかくごった返しだ。
「守・破・離」が今年のテーマと云う。1万8000発 午後5時半すぎ、全国で大曲だけという昼花火で幕を開けた。夕暮れの中色彩の鮮明さに工夫を凝らした色煙の花火が打ち上げられ、第87回全国花火競技大会が始まった。
午後7時頃からの夜花火では、全国から集まった27業者の花火師が「日本一」を競い、伝統的な尺玉(10号玉)や創造花火を次々と打ち上げた。対岸から次々に打ち上げられる花火。クレーンで釣り上げられている巨大スピーカーが4個。すさましい打ち上げ音と音楽。サジキ席はそのたびに響く。打ち上げられる花火と音楽の調和が絶妙。年々進化しているように思う。
「音と光が合ってるのはMIDI使って電気発火とシンクロさせてるからだと云われている。音楽をコンマ秒単位でデータ化して取り込み、打ち上げ筒から飛び出して上空で開花する時間などもデータ化し、曲のどの部分でどんな開花をさせるか計算してシンクロさせる。それらを元にPCからの信号で打ち上げているのだという」(引用)
素人には仕組みはよくわからない。ただただ光と音の調和に感動する。
競技花火、スポンサー提供花火、圧巻は大会提供花火だった。視界一杯に花火など想像すらできなかったことが現実だった。サジキ席に時々花火の炸裂時の残骸が落ちてくる。すべての素晴らしさは会場で体験してこそ、その神髄に触れることができるのかもしれない。つんざくような効果音と地響の打上げ音と花火の炸裂音。圧巻の大会提供花火は約6分間に、550mのワイドスターマイン約2600発。サジキ席からの視界はすべて花火で空などは見えない。大観衆の興奮は最高潮で拍手と歓声がすごかった。
圧巻の大会提供花火 写真 大曲商工会議所
あまりの大観衆に圧倒され、帰宅時の混雑を想定してまだ途中の花火大会会場からは離れた。終了予定まで30分はあるのだが、大会提供花火の終了とともに立ち上がる観衆もこれまた凄い数だ。混雑を想定してそのすべてが車にバスへと急ぐ。ごった返しの状態。時々後ろを振り返りさらに花火を見ながらそれぞれの駐車場まで歩いている。普段だと大曲と自宅までは車で1時間ほどだが、今回は2時間30分もかかって帰宅となった。大会終了時まで会場にいると数時間身動きが取れず、多くの人は帰宅が翌日、中には午前3時頃までかかるとの話だ。首都圏や東北各地から大型バスで来た人達、話してみたら帰りは12時出発だと云う。
大会プログラム(引用)
今回途中帰宅で終わったが一度、上記の写真の大会フィナーレを飾る10号玉30連発大スターマインで多くの人達と一緒になって、秋田県民歌「秀麗無比なる 鳥海山よ」を歌ってみたいものだ。
秀麗無比なる 鳥海山よ
狂瀾吼え立つ 男鹿半島よ
神秘の十和田は 田沢と共に
世界に名を得し 誇の湖水
山水皆これ 詩の国秋田
廻らす山山 霊気をこめて
斧の音響かぬ 千古の美林
地下なる鉱脈 無限の宝庫
見渡す広野は 渺茫霞み
黄金と実りて 豊けき秋田
だから第87回全国花火競技大会の大会フィナーレは、NHKテレビの再放送で観ることにした。今から秋田県民歌を心にかめしめながら待っている。