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鍋釣山登山道の山野草 

2017年04月25日 | 地域の山野草
湯沢市川連町の鍋釣山は標高444m、山の形が半円形で鍋の釣るに似ていることから山の名前になった。湯沢から国道398号線の山谷トンネルを過ぎて、皆瀬川にかかる久保橋を通ると東側の山筋に丸い山が目につく。鍋釣山は地元では地名から「小坂山」と呼んでいる。今年は春の天候が不順で例年より雪消えが大幅に遅れた。天気の良い日、相の沢林道等鍋釣山登頂で遭遇した山野草の紹介する。

田んぼから鍋釣山 2016.11.10

今回は神応寺から頂上に向かった。始めに林道筋で「オオカメノキ」、朝日を浴びて花が開きだしたようだ。どういうわけか「ガマズミ」と間違ってしまう。花と葉に微妙な違いがある。葉はオオカメノキのギザギザがガマズミより細かい。秋には真っ赤な実をつける。

オオカメノキ

「キクザキイチゲ」は雪消えとほぼ同時にでてくる。どこにでも咲いていて特別に珍しいものではないが春先の山野草を代表しているような気がする。

キクザキイチゲ

比較的に多く咲いているのがオトメエンゴサク。前はエゾエンゴサクと読んでいたが本州のエンゴサクは北海道のエンゴサクとの違いが分かり、近年本州のエンゴサクをオトメエンゴサクと名をかえたそうだ。

途中の急斜面にミチノクエンゴサクを見つけた。オトメエンゴサクとは葉っぱが違う。周囲を見回してもたった一株。斜面が急で日差しが強くデジカメの角度に少々不満があったが貴重な一枚。
ミチノクエンゴサク

エンレイソウは花のつぼみと一緒に芽を出してくるようにみえる。葉が十分展開しないの蕾を抱いてひらいてくる。

エンレイソウ

相の沢林道は急峻な山道、かつては東福寺との入会山、伏部ガ沢、桐沢に柴伐り、草刈に通った七曲り道、途中「馬の水飲み場」と呼んでいた場所があった。この場所を通ると必ず馬に水を飲ませた場所。30年程前に土止工の工事で林道が新しくなり、馬の水飲み場が壊されてしまった。歴史的な場所なので復活を願っている。この場所近く林道は地名「鷹塒」といい、「タカトヤバ」と呼んでいる。「塒」は難しい字で「トヤ」と読む。ねぐらという意味もあって「鷹のねぐら」の意になる。この場所はいかにも鷹が住み着いていそうな岩がむき出している。この岩を削り出した岩肌近くにイワハタザオが咲き乱れていた。

イワハタザオ

削り出された岩の砂利筋にたった一株キバナノアマナがあった。見渡してもこの株一つだけ。この株を核として増えてほしい。

キバナノアマナ

この時期はシュンランの季節。近年乱獲で少なくなったが気品ある風情は春の山野草代表の花といっても良い。
目につくシュンランの伸びている葉は途中から切れている。ヤマウサギのしわざらしい。

シュンラン

白い花はキクザキイチゲのシロバナかと思ったが違った。アズマイチゲと呼ぶらしい。茎につく葉は柄を持って3枚が輪生し、3出複葉である。花茎の高さは15-20cmになり、直径2-3cmの花弁状の萼片を持つ花を1個つける。萼片は白色で8-13枚にもなるという。

アズマイチゲ