なぜ世界の人々は「日本の心」に惹かれるのか
PHPから出でいる、呉善花の著書のタイトル。
明治23年4月、来航したラフカディオ、ハーンは、横浜の町を人力車で一巡りする。それは
「この世ならぬ美しさ」と述べている。
「こころもち青味を帯て、異常なほど澄み渡っている大気の冷たさと陽射し・・・」
「小柄で、見るもやさしそうな人々が、幸福を祈るがごとく、そろって微笑みかけてくる」
そして、「小さな妖精の国」とも表現する。
このところの暑さ、空気の重さにほとほと疲れていた私は、ここで、おもわず本を置いた。
世界中が異常気象なのだそうだ。9月の今頃は、風の匂に秋を感じたのに、数年前まで。
都会のビルの谷間を1時間歩くとくたくたになる。そこで毎日仕事をしている方には誠に
申し訳ないが、私は、もはや都会で暮らす持久力、忍耐力なし。
鎌倉の木陰に身をひそめ、秋の足音を、とにかく待つとしよう。