日本で始めて「ブティック」といわれたお店、ごぞんじですか?
8月1日のブログで六本木のことを書きましたが、六本木、飯倉の「ベビードール」です
1960年春にオープンしたイタリアンレストラン「キャンテー」の1階の1角に
ヨーロッパ直輸入の、見たことも無い美しい雑貨や洋服が並んでいた。
当時、20歳そこそこのわたしなど、お店に足を踏み入れることなど恐れ多くて・・・
小さなディスプレーウィンドーから、ため息をつきながら蝉の羽のようなブラウスなど
をながめるのが精一杯でした。
どこを探しても、着たい洋服、既製服など売ってなくて、そこは聖地、別世界だった。
まばゆい街に、まばゆい人達が居た。
何年か経って「キャンテー」に食事に行った、やっと。
さほど広くない薄暗い店内は、おしゃれな装いのカップルがワイングラスを傾けてい
た。
1970年ごろ、だと思う。「BIGI」を代表とする、働く女性に発信した、今まで見た
ことも無い、驚くほど斬新な装いだった。
私は、自分の無力さに打ちのめされた気がした。第一、連れは、全く記憶にも無い。
世の中は、美しい野心に燃えた、おしゃれな若者が間違いなく牽引していた。
私は悲しいほど何も持ち合わせが無く、目標、野心を探しあぐねていた。
「安井かずみがいた時代」 島崎今日子著 集英社 がおもしろい。
「キャンテー」は安井かずみの華やかなエピソードに必ず登場する。
安井かずみの名前を聞くと、せつなく、あまやかな私の20代が伊藤ゆかりのB面の
幾つかの曲とともによみがえる。たとえば、『歌をおしえて』とか・・・
4000曲の詞を書き、華やかでおしゃれで、「作詞家」という職業で見事に自立し
あの、熱い時代を駆け抜けた安井かずみ。 私の女神。