暮しの手帖2ー3月号に掲載されていた、バレリーナ森下洋子の取材記事を読んだ。
3歳からバレーを始め、25歳の時世界的なコンクールで金賞を取り、
今も毎日5、6時間のバーレッスンを続けているという。
1948年生まれです。
「君は何のために踊っているの?」と夫であり、同じバレリーナ振付師の
清水哲太郎に聞かれたことがあったそうだ。
「好きだから」と言いたかったのに、なぜか言葉に詰まり、考えさせられたそうだ。
そう、何のためにこの仕事をして、何のためにその人と暮らし、もっと言えば、
何のために自分は生まれてきたのか・・・、思いを巡らすことがある。
しかし、答えは簡単には出ません。
私も毎日布に触り、裁断をし「私の仕事」をしているが、経営という現実に追われ、
「好きだから」という言葉すら揺らぐことがある。
私の友人が、長い間森下洋子の衣装を縫っていた。
忘れられない言葉がある。
「森下さんは、衣装のサイズが常に変わらないのよ」
今、改めて思い出しました。
森下洋子はバレーは、絵画や写真のようにあとに残すことが出来ない一瞬の美、
その素晴らしさを追求する、終りのない芸術と言い切っている。
「何のために・・・」
遅くはない、これから私も答えを見付けよう。