何時の頃からだろか、人生には期限があると気づいたのは。
10代は両親に守られ、20代は弾けるようにその腕を飛び出し、
複雑な人間関係に右往左往したのは30代か。
料理に興味を覚えたのもこのころだ。
外食で「これ美味しい!」に出会うとすぐ家で作ってみた。
新橋の焼肉屋さんのたれ、六本木のイタリアンのパスタ、
神楽坂の和食やさんの茄子の煮びたし・・・、
私の料理は、和洋中華のいいとこどり。
誰かに食べてもらいたい、そんな思いが作りたいという欲求になる。
お客様料理のレパートリーは少ない。
毎日の「お惣菜」がほとんどで、野菜中心の献立ばかりだ。
身体は食物で出来ている、これは紛れもない事実だ。
何を「食する」かは、自分をいたわる、言い換えれば自分の体を守る作業だ。
2,30代は、早く家にかえって母の手料理を食べることが、
何だかもったいないような、友人達と過ごす時間が宝物のように輝いていた時代だ。
日々の母の手料理の、細かな思い出は乏しい、ごめんなさい・・・。
しかし、母は暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たく、
何でここまで、と思うほど心を尽くしてくれた。
それは、私の中に受け継がれていると自負しているし、娘にも伝わっていると思う。
これからも野菜たちと、仲良く暮らしていきます。
「健康寿命」と言うけれど、一病息災ぐらいが、ちょうどいいと思うのですが・・・。