鎌倉の魅力は神社仏閣、海、里山といろいろありますが、私はそれに路地を付け加えたいのです。
散歩の帰り道、いまでも道に迷うことが時々あります。鎌倉に28年も住んでいて、まだ足を踏み入れていない道が沢山あるのです。
今日も夕方、大町の裏道を歩いていて、突然足が止まりました。覚えがある風景、いつか来たことがある・・・、いや初めて足を踏み入れた道のはずでした。
夕方、陽が沈みかけていました。どこからか煮物の出汁の香りが、少し行くと、お風呂場の窓から子供のはしゃぐ声が、湯垢と石鹸のにおいが私に絡みつきます。妙に懐かしく、何というか「健全な」暮らしの匂いなのです。
それは1日という日が無事に終わった匂いです。鎌倉は観光地ではありますが、路地の道々に、ひっそりと生活している人達が沢山おられます。
そんな路地裏が大好きです。
