うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

漂泊

2010-01-12 22:57:33 | 読書
2010年、最初に読み終えた本が、「西行」。

お正月だったから、なんとなく歌人を選んだのでしたが、思いのほか深かったです。

西行といえば、花。桜の歌人。

そして、もとは北面の武士。

ちょうど、院政→平家の時代で、保元の乱の当事者、崇徳院とも関係していた人。

私は、後白河院関係を調べていた時期があったので、西行の出自に関しては
このくらいの知識しかなかったです。

それから、西行といえば誰もが思い出す、

願はくは花のしたにて春死なんそのきさらぎの望月のころ

という歌。

そして、本当に後年、如月に河内の弘川寺で亡くなってるんですよね、偶然かな。

こういう歌が印象的であり、他にも散っていく桜を詠んだ歌など、
花は花でも華やかさではなく、どこか儚いような歌を詠んでいる印象があったのだけど、ぜんぜん勉強不足でした。

力強い歌もあれば、ユーモラスな歌もある。

なにせ、後年、松尾芭蕉がその足跡をたどるほど、残したモノも歌も大きかった。

代表的な歌集「山家集」には、1552首も収録、
歌にかける情熱はこれだけではありません。

当時は歌合というものがあって、二つの歌を比べて、判定を頼む、ことが
よく行われたそうですが、西行は異例の「自歌合(じかあわせ)」で、
自分の歌の判定を、なんとあの藤原俊成、定家父子に依頼しているんです。

それが、「御裳濯河歌合」(俊成)と、「宮河歌合」(定家)。

後者は、完成が西行の亡くなる直前だったといいます。

僧侶であり、歌人であり、漂白の旅人であり、また、73歳という当時では
長生きの方なので、エピソードも多いためか、説話や絵巻、またのちに世阿弥が能「西行桜」を書いたりと、後世にもいろいろな部分で語り継がれていきます。

だから、今も古い感じがしないんですかね、少なくとも、平安朝歌人よりは
拙い私の感覚でも新しいな…。
文学史的にも勅撰の「古今和歌集」→「新古今和歌集」で、技巧的にも
「よい」と思われるものの捉え方が違ってきた時期…なんじゃないかと思います。
…とはいえ、歌合の、俊成や定家の判を読んでみても、私にはサッパリ優劣が
分かりませんでしたが…orz

最後に、ちょっと気になった一首。

仏には桜の花をたてまつれわが後の世を人とぶらはば

これ、源氏物語で、紫の上が死ぬ間際に、見舞いに来た幼い匂宮に、
「自分が死んだら、この屋敷をあげるから、ここの庭にある桜や梅を慈しんでね。
そしてときどきは、仏様にお供えしてね…」
…というようなことを言う場面があったと思うのですが…。
(源氏物語「御法」巻。今、確認しました^^;)

西行も、当然源氏を読んでいたのか、源氏自体が何か古典を題材にしていて、
こういう思想が自然だったのか、この「西行」本にはこのことは触れられていませんでしたが、ちょっと面白い発見でした。

ちなみに、昔読んだ源氏の注釈書では、紫の上が、「自分に桜を供えて」ではなく、「仏様に供えて」と言っている点が素晴らしい、と書いてあった気がします。

た、確かに!!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

和製

2010-01-12 01:24:43 | おやつ
Yさんが持ってきてくれた、お菓子。

シンプルな箱に油断していたら、中身のあまりの華やかさに、
思わずケイタイ撮り(^^;)

お店の照明の下なので、華やかな色が台無しですが…orz

まず、一言。
Yさんも食べたほうがいいよ~、マジウマだったから(*^_^*)
↑もらっといて、言うセリフですか、スミマセン。

↓いっこいっこはこんな感じです。



しいて言えば、オサレなどら焼き!

でも、私の感想は、和菓子でマカロンっぽいのを作ったら、こんな感じ!?

マカロンと言ったら、ポップでキュートでカラフルな色、

そしてそれぞれ違う、フレーバー。
それは、生地だったり、クリームやチョコレートなど中にはさまれたものだったり。

このたちばなさんのお菓子も、まさに、そんな印象でした。

フレーバーも、苺とかマンゴーとか、フルーツ系から、抹茶、白あん、ゴマ、紫芋と和風系まで。



↑生地の中にはムース餡。

生地はハヤリの米粉で、もちっとしていて、食感も素敵です(^ω^)

毎度のことながら、ネパール人コックさんも美味しいと喜んでいました。

そして…

「サウスインドにも、同じのアル。イッショ」

…と言っていたけど、たぶん、似て非なるものに違いない…(^^;)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする