坂東眞砂子著
「朱鳥の陵」
K君の手術の間(8時間)に読み終えた本。
読み終えた後、ゾッとしました。
最後、ほっとしたかに思った後だから、その後の展開がさらに恐怖感倍増…、やはり上手すぎです、坂東先生。
常陸の夢解き女、白妙がある人の記憶(意識)に同調してしまい、恐ろしい事実を知ってしまいます。
その記憶の持ち主も、最初は誰か分かりませんが、読み進めるうち持統天皇(讃良) だと分かってきます。
犯した罪から、天皇→神になろうとした讃良はやはりすごい精神力の持ち主で、自分の意識に何者かが進入していることに気付き、ついにはそれが白妙だと分かります。
そして秘密を守るために、ついには白妙をも…!!(゜ロ゜ノ)ノ
春過ぎて
夏来るらし 白妙の
衣干したり 天の香具山
この歌を恐ろしい意味に活用してます。女ってやっぱり怖い……
古代史の近親者を次々と濡れ衣を着せたりして手にかけて、権力を奪いとってきた血で血を洗うような歴史を体現した小説…
蘇我、厩戸、天智、天武の辺りの書物を結構読んできたので、すんなりとこの物語の世界観に入り込めました。