うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

最近読んだ本。

2015-03-24 23:14:14 | 読書


皆川博子著
「アルモニカ・ディアボリカ」
早川書房

前作「開かせていただき光栄です」の続篇。
続篇が出るとは思っていなかったので、嬉しかったです(*^^*)

舞台は18世紀のイギリス。
解剖医ダニエル先生の弟子たちは、前作での事件により出奔した、エドとナイジェルのいない日々に寂しいながらも、新たな生活を送っていたが、謎の死を遂げたナイジェルの死体を死因究明のため解剖することになる。

そこから、ナイジェルの過去、アルモニカという楽器に関わる隠蔽された過去の事件、精神疾患者が収容されるべドラムの悲惨な現実に関わる複雑な殺人事件の謎を解いていくことになる。

登場人物が多いから、最初の「登場人物」紹介の項はありがたい。
海外の推理小説を読んでいる気分。
皆川さんの本は、外国を舞台にしたこういう話が好きです。
「死の泉」とか。

今回のシリーズも、さりげないユーモアが会話の中に織り込まれていて、時々クスクスしちゃいました。
ダニエル先生の弟子たちの絶妙なやりとりが。

今回の話でナイジェルの生い立ちを知ってしまうと、エドとの関係や前作の内容もなんかもっとしみじみ感じられて、結局今回もエドは新大陸に兵士として旅立ってしまうので、切ない終わりかた。

小説としては成り立たないけど、前作のあと、エドがずっとナイジェルと一緒にいてあげていれば…と思ってしまうほど、読み終えた後にすっかり物語に感情移入してしまっていました(T-T)
コメント
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