例によってなぞときの多い荒削りな映画だった。
頭蓋骨の割れる音、高圧洗浄機から飛び出す水のように噴出す血。皆軍隊に行っているから変な効果音だと馬鹿にされる。
新入りの見習い(イ・ミレ李未來(劇中名))、(本名、コ・アソン高我星)がこき使われながらも一番出世の遅い課長が何かと助けてくれていた。しかし殺意はバカにされたときのみ起こる。ほかの事は我慢できる。
どうせ日本では、上映はやらない。すぐ旧作になって消える。
言いたかった事は次のとおり。
おまいらいい加減にせえよ。オイも人間じゃけんのう。限界までは頑張るが、調子こいとったら限界こえるでえ。
一見の価値あり。
僕には清涼剤のようにすっきりする映画であった。とくに最底辺労働者に転がり落ちた諸君。バブルの頃ならもっとバカが40万はもらってたのにな。そんなことが心にくすぶってないか。
安倍の三本の矢のおかげで給料がどうなったか。騙すのもええ加減にせい。・・・と、僕は素直な人間だ。とりあえずは、グダグダうるさい課長どまりの頭の悪いのに、ガツンと言ったらどうだ。
俺は奴隷じゃなかぞ。路傍の石でもなかぞ。上司が神か。上司の命令は陛下の命令か。
調子こいたら殺すぞ。北九州市と田川市は昔からこうだ。福岡市はこのごろこうだ。
この関係をうっかりして忘れる奴がいる。
内縁の娘が目薬を買いに行った。僕はクルマの中で音楽を聴いて暇つぶしをしていた。なんとあろうことか、泣きながら戻ってきた。さては娘が超、超、かわいいのでチンピラの類がちょっかい出したな、と思ったら、
脚立の上に乗った従業員に「目薬はどこですか」と聞いたら、あごで売り場の方向を示したそうだ。僕はそいつが脚立から降りる前に引き倒してやると思い急いだが、脚立は無かった。
あんまりすると「しまむら土下座事件」のようになり、こっちがいじめているように思われる。関係する2,3人を呼び出して、胸ぐらをつかんで謝らせた。これ以上すると品位が下がる。
内縁の娘は、軟弱な僕が嫌いになったようだ。
後日、その店からラバースタンプの謝罪ではなく、心から申し訳ないという気持ちにあふれた手紙が来た。
「女も助けられない弱虫パパ。」 当分これは消えない。