宮本輝さんの「朝の歓び(上・下)」を読んだ。
1992年9月から約1年、日経朝刊に掲載された作品だそうだ。
妻を病で亡くした江波良介は、突然会社を辞めてしまう。
そして、かつての不倫相手・小森日出子に会いに。
そして、ふたりはイタリアのボジターノへ。
良介は父親とケンカ別れした兄に会うために、
日出子は障害を抱えた少年パオロの成長を確かめるために…。
揺れ惑う愛を描きながら、生きることの歓びを見つめ直す。
主人公・良介は、自分とあまり変わらない年齢である。
良介は、妻との死別をきっかけに人生を一度リセットさせ、
妻がやりたかった仕事を始める。
積年の会社疲れも溜まりに溜まり、会社人生の先も見え始め、
リセットしたい気持ちはよく分かる。
しかし、うちにはおちぇりさんが。
こんな可愛い寝顔を見たら、また頑張れる。
おちぇ、おとんは頑張るよ、もう少し。
宮本さんの文章はとても読みやすく、綺麗で好きである。
また、少々古臭いかもしれないが、共感できるところが多い。
「心の師とはなるとも、心を師とせざれ。」
「お前のいいところは、素直で、自分が悪かったと思ったら、
すぐに謝れるところだ」
「学校っていうのは、やっぱり勉強をするところなんだよ。
勉強が大好きだってやつも、たまにいるけど、
まぁ、人間て、できるだけ遊んでか怠けたいもんさ。
遊んで、楽をしたいって本音を、学校や教師のせいにするなよ。
自分のために勉強するんだからね。
親や教師のために勉強するんじゃないんだ。
勉強するってのは、つまり、自分に克つことさ。
自分に克たないと、宿題ひとつ片付けられないよ。
自分が負けた言い訳を、学校や他人や社会のせいにするための
論法だけ上手なやつが、一人前の社会人になれないまま、
歳だけとっている。(中略)えらそうな屁理屈は、
ちゃんとやることをやってから言ってくれってんだ。」
「明るく振る舞うってことは、とんでもなく大きな力を、
自分の環境に撒き散らすんだと思ったね。
人は、明るくないと、幸福になれないと思ったね。
どんな花の種も、暗い場所に落ちたら、
芽も出ないうちに腐っちまう。」
「自分の周りのものは、すべて、自分の影なのだ。
自分が曲がっていれば、影も曲がる。すべて、自分次第なのだ。」
「他の人のために灯をともせば、我が前もまた明らかなるが如し。」
これからも宮本さんの作品は読みたい。長生きしてくださいね。
1992年9月から約1年、日経朝刊に掲載された作品だそうだ。
妻を病で亡くした江波良介は、突然会社を辞めてしまう。
そして、かつての不倫相手・小森日出子に会いに。
そして、ふたりはイタリアのボジターノへ。
良介は父親とケンカ別れした兄に会うために、
日出子は障害を抱えた少年パオロの成長を確かめるために…。
揺れ惑う愛を描きながら、生きることの歓びを見つめ直す。
主人公・良介は、自分とあまり変わらない年齢である。
良介は、妻との死別をきっかけに人生を一度リセットさせ、
妻がやりたかった仕事を始める。
積年の会社疲れも溜まりに溜まり、会社人生の先も見え始め、
リセットしたい気持ちはよく分かる。
しかし、うちにはおちぇりさんが。
こんな可愛い寝顔を見たら、また頑張れる。
おちぇ、おとんは頑張るよ、もう少し。
宮本さんの文章はとても読みやすく、綺麗で好きである。
また、少々古臭いかもしれないが、共感できるところが多い。
「心の師とはなるとも、心を師とせざれ。」
「お前のいいところは、素直で、自分が悪かったと思ったら、
すぐに謝れるところだ」
「学校っていうのは、やっぱり勉強をするところなんだよ。
勉強が大好きだってやつも、たまにいるけど、
まぁ、人間て、できるだけ遊んでか怠けたいもんさ。
遊んで、楽をしたいって本音を、学校や教師のせいにするなよ。
自分のために勉強するんだからね。
親や教師のために勉強するんじゃないんだ。
勉強するってのは、つまり、自分に克つことさ。
自分に克たないと、宿題ひとつ片付けられないよ。
自分が負けた言い訳を、学校や他人や社会のせいにするための
論法だけ上手なやつが、一人前の社会人になれないまま、
歳だけとっている。(中略)えらそうな屁理屈は、
ちゃんとやることをやってから言ってくれってんだ。」
「明るく振る舞うってことは、とんでもなく大きな力を、
自分の環境に撒き散らすんだと思ったね。
人は、明るくないと、幸福になれないと思ったね。
どんな花の種も、暗い場所に落ちたら、
芽も出ないうちに腐っちまう。」
「自分の周りのものは、すべて、自分の影なのだ。
自分が曲がっていれば、影も曲がる。すべて、自分次第なのだ。」
「他の人のために灯をともせば、我が前もまた明らかなるが如し。」
これからも宮本さんの作品は読みたい。長生きしてくださいね。