宮下奈都さんの小説「静かな雨」を読んだ。
本作は、美味しいたいやきを焼くこよみさんと
「あきらめるのって、
びょ~んだね。
眠たくなっちゃうね。
おやすみんしゃい。
おしまい。
宮下さんの作品を読むのは、
2016年本屋大賞の「羊と鋼の森」以来。
本作は、美味しいたいやきを焼くこよみさんと
生まれつき足に麻痺のあるユキこと行助の話。
こよみさんは、事故で短期間しか
新しい記憶を留めておけなくなってしまう。
作中にも出てくるが、
小川洋子さんの「博士の愛した数式」ようだ。
「あきらめるのって、
とても大事なことだと思う。
でも、あきらめ方をまちがえると、
ぜんぶだめにしちゃうの。
あきらめることに慣れて、支配されて、
そこから戻ってこられなくなるの。」
「(何が)役に立つか立たないか、
それは本人にもわからない。
人によって役に立つものが違う。
役に立つ時期も違う。それだから、
もし、今、役に立たないと思っても、
勉強を放棄する理由にはならない。
わたしのいる世界は、
わたしが実際に体験したこと、
自分で見たり聞いたりさわったりしたこと、
考えたり感じたりしたこと、
そこに少しばかりの想像力が加わったもので
しかないんだから。」
「わたしの世界にもあなたがいる。
あなたのいる世界にもわたしがいる。
でも、ふたつの世界は同じものではない。」
「新しいものやめずらしいものにたくさん
会うことだけが世界を広げるわけじゃない。
ひとつのことにどれだけ深く関われるかが
その人の世界の深さにつながるんだと思う。」
ということで、今日のおまけ。
びょ~んだね。
眠たくなっちゃうね。
おやすみんしゃい。
おしまい。