町の中のあちこちで、綺麗な紅葉が見られるようになりました。
お茶会が催された、昨日の東山荘です。
静かな佇まいの門をくぐると、正面に紅葉した樹木が目に入りました。左手の赤い木はドウダンツツジ。右手、無数に白い実を付けているのはナンキンハゼです。
グラデーションが綺麗な楓。
ここから奥に入って、庭を見学出来ます。
茶会が終わった後、記念に写真を撮りました。
もう50年近く前に母が誂えてくれた着物の中から、今日は、色無地の着物と、菊を綴れで織り込んだ緞子の帯を選びました。
その頃より10キロほども体重が増加し、着物の身幅もだいぶ狭くなりました。
孫の七五三に着て以来ですから、この着物を着るのは今日でまだ2度目です。
茶会に出された干菓子も、和三盆の赤い菊と、菊の葉を形どったすはまが出され、帯と全く同じモチーフで、その偶然に驚きました。
茶道との出会いは高校生になったばかりの16歳の時でした。母に勧められるまま、数年茶道教室に通いましたが、それ以降は、長い間遠ざかっていました。
その後ことあるごとに、母は「茶道を習うといいのに・・・」と、今思うと口癖のように言っていましたが、そんなころは全く興味も覚えず耳に入りませんでした。
母が亡くなり、今頃になってやっと母の気持ちがしみじみと心に沁みわたります。
「孝行したい時、親は無し」
手を通さないまま、タンスの肥やしでは母に申し訳が立たない。
「お母さん、今頃になってやっとあなたの気持ちがわかりました。有難う。」
と、空に向かって大声で伝えたい気持ちです。