カズTの城を行く

身近な城からちょっと遠くの城まで写真を撮りながら・・・

丸岡藩砲台跡

2008-10-18 20:37:09 | Weblog
丸岡城を出て芦原温泉方面へ車を走らせ、東尋坊のある三国町を目指しました。
その途中で海岸方面に出た所に、丸岡藩砲台跡という所があったので寄ってみました。
今放送中の大河ドラマの時代と同じ頃、幕末の外国に対しての沿岸警備のために造られた砲台です。

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丸岡藩砲台跡
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砲台跡で写真を撮り、昼食もとりたかったのですぐに出発しました。何年かぶりの訪問ですが、東尋坊はもうすぐです。


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シリーズ 甲府巡り   (中)

2008-10-16 21:27:17 | Weblog
甲府城から出て武田通りに入ると、道は躑躅ヶ崎館(武田神社)に向かって真っ直ぐ伸びていました。
初めて訪れた場所で、昼食を何処で食べようかと思案しながら車を走らせたので、武田通りに入っても迷っていたところ、たまたま止まった信号交差点の横にカレーのお店があって、急遽駐車場に入りその店で昼食をとることにしました。
お店のマスターとも世間話をして、富士山の写真集を見せて頂き、富士山の写真撮影スポットも教えて頂きました。旅行の途中に寄った客でも愛想よくして頂きありがとうございました。
武田神社は、観光客や氏子さんらしき人達らがいて、祭りの後だったと思いますが日曜日ではなくても賑やかでした。
以前は、山梨と言えばブドウのイメージだったけど、武田信玄に富士山、富士五湖に甲府城のボランティアガイドさん、カレー屋のマスターやペンションのご夫妻と人も良い、・・・そんな山梨、もう一度行ってみたいですね。
・・・おっとその中心が甲府でした。甲府巡りをまたしてみたいと思いました。


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躑躅ヶ崎館


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予告編です。

2008-10-15 22:47:07 | Weblog
福井城巡りやシリーズものの途中ですが、予告です。
10月12日(日)に名古屋市の守山、隣の尾張旭市、長久手と回ってお城などの歴史探訪に行って来ました。
まとめしだい載せていきますので、今後も当ブログにご訪問下さい。


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『戦国に散る花びら』  第十四話  新武将誕生 

2008-10-14 23:52:58 | Weblog
少しずつではあるが、愛美の容態も回復に向かっていた。
武田軍は、甲斐へ戻ったとの知らせがあり、ひとまず安堵の時が訪れていた。
「長い間、お世話になりました。」
「まだ、居てもいいんですよ、私達は・・・。」
「お瑠衣、この二人夫婦になってもろくに二人で暮らしておらんのだ、早く二人だけの暮らしがしたいのだろう。」
「は、はい。」
愛美は、恥ずかしがりながら返事をした。
「じゃ、引き止められないわね。」
三津林と愛美は、榊原の屋敷を出て、足軽長屋に戻ることになり、榊原夫妻に見送られて渡名部等と共に屋敷を出た。
ところが榊原の屋敷を出ると、徳川の家臣達が並んでいた。そしてその間から馬に乗った家康が現れた。
「これは・・・。」
三津林が榊原の方へ振り返ると、榊原がニヤリと笑った。
「三津林、そなたの行き先は、それがしが決めてある、ついて参れ。」
家康を先頭に行列が城下を進んだ。三津林、渡名部、さゆみや久留美も行列に加わり、愛美は駕籠に載せられて後について行った。



やがて行列は、やや大きな屋敷の前で止まった。
「三津林、これへ参れ。」
家康に呼ばれて、三津林は家康の乗る馬の横へ来て、膝をつき頭を下げた。
「ここは、今日からそなたの屋敷だ。」
「えっ!」
三津林は、思わず驚嘆の声を上げた。
「そなたの三河での活躍は見事であった。そして何より生きて帰って来たことが大きな手柄である。これはその褒美である。・・・奥方に約束しておったからな。」
「は、ありがとうございます。私のような者にこんな屋敷をご用意くださり、このご恩は生涯忘れません。」
「くわえて、渡名部と茂助らを家臣とし、その家族と三河の薬師どのを愛美どのために住まわすようにせよ。」
「は、はい。・・・えっ!」
「三津林君、俺が君の重臣になってやるよ。」
「でも・・・。」
「俺は、お前のような男のためだったら、命を懸けて働けるよ。」
「渡名部さん・・・。」
「そういうことだ。三津林、これからもわしが天下を取るためにしっかり働いてくれ。」
そこへ、駕籠から降りてきた愛美が来た。
「お殿様、ありがとうございます。」
「愛美どの、まずはしっかり養生するんだな。そして早く子を作り、三津林家を大きくしてわしに仕えてくれ。」
「子・・?」
愛美は思わず顔を赤くした。
「ははは、愛美どのはまだわらべだったかな。・・・では城へ帰る。」
家康は、三津林達に見送られ家臣等とともに浜奈城へ戻った。


城へ戻った家康は、家臣と話をしていた。
「隆作とお良は、まだ見つからぬのか?」
「は、敵方に流れたやもしれませぬ。」
「お良とやらしたたかな女だな。危機を察して逃げるとは・・。また愛美どのを狙ったりしなければ良いが・・。」
家康は、家臣に詮議を指図していた阿下隆作とお良を取り逃がし、その行方を追っていた。
「見附辺りには、敵方の残党が忍んでいるようです。」
「そうか、その者達をお良が利用するやもしれん、三津林の身辺に怪しいものが寄らぬように見張りを出しておけ。」
何がしかの不安を感じる家康だった。


「殿、一杯どうぞ。」
「やめて下さい、渡名部さん。そんなんじゃないですよ俺は・・・。」
「先生、とにかく、少しでも皆と一緒にいられるならいいじゃないですか。」
「さゆみさんの言うとおりですよ、愛美さんも心強いと思いますよ。」
「そうだな、愛美も少しずつ元気になってるし、戦もしばらくないだろうし。」
愛美は、寝床で休んでいたが、三津林と渡名部、さゆみと久留美、茂助夫妻は、囲炉裏を囲んで話をしていた。
「ところでお屋形様、愛美様が毒茸をお食べになったのは、お良と言う足軽大将の奥方が毒茸を食べさせるために持って来たからではないかとのことです。」
茂助は、家康の家臣から内密に聞いていたのだ。
「えっ、なぜです?なぜ愛美に毒茸を食べさせたりするんですか?」
「そうよ、愛美が何かその人に恨まれるようなことしたの?」
「お良様は、綺麗な方や可愛らしく明るい方を酷く嫌うお方で、以前にも新しく足軽屋敷に住まわれた綺麗なお方を川に突き落としたと疑われたこともあったんです。」
「他にも同じようなことがあったんですが、知らぬ存ぜぬの一点張りで、見たものもなくおとがめがなかったんです。」
茂助とおよねが説明をした。
「だから、愛美さんもその毒牙にかかってしまったということですか?」
久留美も呆れ顔で尋ねた。
「そうよ、なんで愛美がそんな女に殺されそうにならなきゃならないんですか?捕まえてくれたんですか?」
さゆみが不満をぶちまけた。
「それが、詮議をしようと屋敷に行った時には、夫の阿下隆作とともに姿を消していたそうです。」
「そうか、それならもう城下にはいないだろう・・・。三津林君、いや、お屋形様、逃げたとはいえ、一応気にかけていた方が良いかもしれないな。」
「そうですね、とにかく愛美には言わないで下さい。」
皆は頷いた。


古い山小屋に数人の雑兵が集まっていた。そこへ女が甲冑の男と入って来た。
「まず手間賃は、この金よ。そしてことが旨く運べば、皆を武田の家臣尾山田様の足軽として取り立てて頂くように話はつけてあるわ。」
鋭い目つきで女は雑兵達に言った。
「本当だろうな?」
雑兵の一人が尋ねると甲冑の男が答える。
「間違いない。すぐにまた戦になるから、そこでまた手柄をたてれば出世もありうる。」
「そうよ、女を一人仕留めてくれれば、こんな所に潜んでいなくても済むのよ。」
「よーし、皆、陽の当たる場所へ帰るぞ!」
「おお!」
男達は、弓や刀を手に小屋を出て行った。


                   つづく


             ※ この物語は、すべてフィクションです。
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城№60 <丸岡城>

2008-10-13 23:22:47 | Weblog
8月16日、福井県の城巡り2日目のスタート。
ホテルでの朝食を済ませてから出発。北へ走ると丸岡城はすぐに現れました。丸岡城があるのは、福井県坂井市丸岡町。高いビルが少ないので丸岡城の姿は、遠くからでもよく見えます。
柴田勝家の甥の勝豊が築城した丸岡城。現存する天守閣の中では、最も古い建築(1576)ですが、昭和23年の福井大震災で倒壊して、昭和30年に修復再建されました。急な階段も時代を感じますが、屋根が全部石瓦葺きなのが、江戸期の城と違い、その建築がさらに古い時代のものであることを証明しているように思います。


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丸岡城


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丸岡城(霞ヶ城公園)の周りを半周して駐車場に戻り、次の目的地を目指しました。予定の福井城、北の庄城を前日に訪問したので、城巡りは終了ですが、観光は続きます。


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お城&キャラクター土産  ③

2008-10-13 12:37:19 | Weblog
キティちゃんでご当地の土産になっているものを買ったりしていますが、場所によっては、有名なご当地キャラクターがある所もありますよね。
今回は、彦根城です。





ご当地キャラクターのひこにゃんです。
彦根城に行ったのが何年も前だったので、その当時にこのキャラクターが存在していたか記憶にありません。この土産は、今年滋賀県のSAに寄った時に購入しました。
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シリーズ 甲府巡り  (上)

2008-10-11 16:21:22 | Weblog
長野・山梨の旅行ルートを決めるため山梨県の城を調べた時に、躑躅ヶ崎館と甲府城がまず浮上しました。
この二つの城跡は、ともに甲府市内にあります。甲府城は武田氏が滅びてからの城ですが、甲府駅前にも信玄公の像があるように、甲府(甲斐)と言えば武田氏であり、武田氏と言えば、武田信玄公なんですね。
訪れたのが信玄公祭りの丁度一週間ほど後で、甲府城の歴史ボランティアの方のお話では、実際には甲府城は信玄公のゆかりの城ではないけれど、甲府城から躑躅ヶ崎館(武田神社)までの間の市街地を武者行列が勇壮に進むのだそうです。


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甲府城


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諏訪(高島城)でも大河ドラマの影響もあり、風林火山がクローズアップされていましたし、高遠城でも勘助曲輪と呼ばれる場所があったり、甲府市内は勿論のこと甲斐、信濃の有名な武将と言えば、やっぱり“武田信玄”となるようです。
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城№59 <北の庄城>

2008-10-08 22:14:08 | Weblog
福井城から南へ5分程度の足羽川(幸橋)と福井駅の中間に北の庄城址(柴田神社)がありました。すぐ近くの有料駐車場に車を止め、駐車場の管理人さんからご親切に行き方を教えて頂き、北の庄城址を訪れました。
北の庄城と言えば、柴田勝家とお市の方で知られるお城です。遺構は石垣や堀の跡が少し残っているだけですが、資料館や柴田神社などで勝家にまつわる歴史を多少感じられる所でした。


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北の庄城


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この日は、これで城巡りは終了。北の庄城址から再び北に向かい、九頭竜川沿いにある予約のホテルへ行きました。そして夕食のためにホテルを出て、アピタのレストランで食事をして再びホテルに戻りました。


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お城&キャラクター土産  ②

2008-10-07 21:29:33 | Weblog
今回は、名古屋城です。





7月19日、久しぶりに訪れた暑い日の名古屋城。大相撲名古屋場所と重なって、お相撲さんも見かけました。名古屋城に登城して展示品を見たり、売店できしめんを食べたりしました。
土産は、キティちゃんシリーズで金シャチのキティちゃんです。
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『戦国に散る花びら』  第十三話  二人の生還

2008-10-07 00:44:36 | Weblog
「もう駄目かもしれんのお・・・。生きているのが不思議なくらいじゃ。」
薬師は、愛美の痩せ細った身体を見てしみじみ言った。もう何日も愛美は眠り続けている。
「愛美は、先生を待っているのよ。だから死なないのよ・・・。先生帰って来て、お願い。」
さゆみは祈った。
薬師も帰り、さゆみと渡名部、そしてお瑠衣の三人が愛美に付き添っていた。さゆみも渡名部も疲れでうたた寝をするような状態なので、お瑠衣が二人の分まで愛美の様子を注意して見ていてくれた。
そんな二人もハッと目を覚ましてしまうような足音が部屋に迫って来た。バタバタと音を立て誰かがやって来る。そして勢いよく襖が開いた。
「み、三津林が帰って来おったぞ!」
榊原が息を切らしながら言った。しかし三人は呆気にとられてしばらく言葉が出なかった。
「ほ、本当ですか?」
やっと渡名部が言葉を発した。
「ああ、本当だ。」
そう言っている榊原も呆然としている。そうこうしているうちに、再び廊下を歩く複数の足音が聞こえてきた。
「さゆみさん、三津林さんですよ!」
およねの声だ。
「渡名部さん・・・。」
そう言ってさゆみは、渡名部の顔を見た。初めは信じられなかった二人にも、期待感が沸々と湧いてきた。
「先生・・・。」
「三津林君・・・。」
榊原の立っている横へ、およねと茂助に両脇を支えられた三津林が現れた。
さゆみが立ち上がって三津林の所へ行った。
「先生、待ってたんですよ。・・きっと無事に帰って来るって、信じて待ってたんです。」
さゆみが涙を流しながら言った。
「ああ、何とか生き延びたよ。」
「先生、愛美が・・・。」
そう言うさゆみの目線の先には、眠る愛美の姿がある。三津林は、一人で愛美の所へ向かった。
「三津林君、よく生きて帰って来てくれた。・・本当に良かった。」
渡名部の目にも涙が浮かんでいた。
「心配かけてすみませんでした。」
「いいんだ、さあ・・・。」
渡名部は立ち上がって、三津林を愛美の横に座らせた。
「よくぞご無事で。・・皆待っていましたよ。」
「お瑠衣様、愛美を置いて頂きありがとうございます。」
お瑠衣も立ち上がり、榊原達の所へ下がった。
「このお方は?」
見慣れた人物等の中に、初めて見る顔があった。
「かんご、いえ、三河の薬師の方です。」
愛美のもとに、三津林と薬師を残して、さゆみ達は部屋を去った。



三津林は、愛美の手を握っていた。
「看護師さん、信じられないでしょ・・。」
「ええ、今も夢を見てるんじゃないかと思ってます。」
「それが普通だよね。でも現実なんだよ。・・愛美も、さゆみ君も、渡名部さんもタイムスリップしてこの時代に来たんだ。」
三津林は、安達久留美とともにあの崖を落ち、谷から現れた光の中に吸い込まれて、再びこの時代にやって来た。そして三河からこの浜奈へ帰って来たのだ。
「でも、君まで巻き添えにしてしまって、申し訳ない・・。」
「帰れれば、ちょっとした旅行だと思って我慢しますよ。それにあなたの若い奥様が元気になるように、お手伝いします。」
「ありがとう・・・。」
そこへさゆみが、久留美に頼まれた水の入った器を持って部屋に来た。
久留美はその水で、三津林の持ってきた薬を愛美の口に流し込んだ。
「薬師の先生も現代から来たんですね。」
当然、格好を見れば戦国時代の衣装でないことは一目瞭然。
「薬師の先生なんてやめて下さい。私はただの看護師です。久留美と呼んで下さい。」
「で、どうですか愛美は?この時代のお医者さんは、ヤブでたいしたことしてくれないんですよ。」
「実際危ない状況だったと思うけど、意識は戻っていなくても、ここまで生きてるってことは、回復する可能性は充分あると思います。」
三津林は、何も言わず愛美の手を握っていた。
それを見て、さゆみと久留美は部屋を出た。



「さゆみさんは、現代に帰りたくないの?」
廊下でさゆみと久留美は、話をしていた。
「どうかなあ?帰りたいと言えば帰りたいし、この時代でも良いかなとも思うし・・・。」
「でも戦国時代でしょ。・・殺されたりしちゃうんじゃないの?実際、三津林さんも殺されそうになったんでしょ。」
中庭に静かな風が吹いている。
「だけど、こんなに静かなんですよ。人間が殺し合っていても、自然はこんなに私達のいた時代とは違うし、殺しあってる皆も一生懸命に生きて戦ってるの。偉い人も身分の低い人も皆、この自然の中で素直に生きてる。最初は、凄く不便だったし、食事も粗末だったけど、皆優しいし、年齢関係なく付き合えるし・・・ただ愛美があんなことにならなければ・・・。」
久留美は、さゆみの目に流れる涙を見た。慌しく過ごすあの時代では、こんなに人を思う涙は、そうそう見られない。病気に苦しむ人を何人も見てきた久留美も、今いるこの時代は、簡単には治せない病気も、人間同士が当たり前に殺し合う状況も受け止めて、皆必死になって生きてるんだということを、同じ時代から来た若いさゆみから感じ取れた。

「愛美、ごめん。一人ぼっちで苦しい思いをさせて・・・。ちゃんと生きて帰って来たから目を覚ましてくれ・・・。」
目を閉じて愛美の手を握る三津林の心に、今までには感じられなかった愛美への深い愛情が充満している。心から愛美を愛おしく思った。
「せ、ん、せ、い・・・。」
三津林の耳に小さな声が聞こえて、目を開けた。
愛美の唇が、微かに動いているのが分かった。
「愛美・・・。」
「せ、ん、せ、い、遅いよ・・・。」
愛美が喋っている。
「愛美!愛美!」
「先生も、私も、生きてるの・・・?」
小さな声だが、確実に唇を動かして問いかけている。
「生きてるよ、二人ともちゃんと生きてるよ。」
ゆっくりと愛美の瞼が開き、視線を三津林に向けた。そして涙が一粒流れた。
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