2月10日(土)は旧暦の1月1日でした。そこで旧暦元旦の初日の出を見に行きました。
今のカレンダーの暦、新暦では1月1日の後に小寒、さらにその後に大寒がやってきます。今年は1月6日~1月19日が小寒、1月20日~2月3日が大寒でした。
大寒が終わると立春となります。今年の立春は2月4日でしたが、この日は旧暦で12月25日です。
お正月というと「新春」や「迎春」といった言葉が使われますが、一年のうちで一番寒い時期と言われる大寒が元旦の後に来るのでは、温かさの感じられる春はまだ先という感じがします。ところが旧暦では、元旦の前に大寒は過ぎていて、立春の期間に入っているのです。立春の期間に元旦の来る旧暦の方が「新春」や「迎春」の言葉がしっくり来ます。
立春というのは季節を24に分けた二十四節気の一番目の季節。寒い冬が終わって春が来る日であり、2週間ほど続く期間でもあります。
旧暦1月1日の初日の出の写真です。
旧暦が用いられ始めたのは古墳時代。このころの日本は中国との交流が盛んで、中国の文化とともに旧暦も日本に入ってきたと言われています。以来、日本の風土や気候に合わせて改良されながら、明治時代が始まるまでの長い間用いられてきました。特に田畑の農作物を育てるタイミングを計るために重宝されてきたということですから、里山文化の一つと言っても良いでしょう。
というわけで、旧暦の新年、あけましておめでとうございます。
旧暦には曜日はありません。その代わりに24の季節をさらに3ずつに分け全部で72の季節に細分化した七十二候(ななじゅうにこう)というものがあります。
曜日は月・火・水・木・金・土・日と7日間で一周する繰り返しで約52週で一年365日となりますが、七十二候は一つの候が5日間で一年経たないと一巡せず、その季節の生きものたちの様子を示す言葉で表されます。それも、その様子を思い浮かべることができるような楽しく美しい言葉です。
ちなみに本日2月13日は旧暦の1月4日。立春の期間中で、2番目の候「うぐいす鳴く」の時節です。そして2月15日から18日は、立春の3番目の候「うお、こおりをいずる」の時節となりなります。
季節の細やかな移り変わりを感じながら生活するには、旧暦の二十四節気と七十二候がとても良い目安になります。これも自然と調和した生活のしかたの一つと言えます。
自然と調和した暮らし方をするには、身の回りにも自然環境をが存在するということを意識し、楽しく親しもうとする姿勢を持つ必要があるのですから。