三木奎吾の住宅探訪記

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。

【人口減少へ処方箋提言も/北総研・研究報告会】

2020-10-16 06:12:25 | 日記

一昨日の地域工務店グループ・アース21のリアル例会と打って変わり
昨日はWEBセミナー形式の北総研・研究成果報告会。
北総研というのは略称で正しくは「北海道立総合研究機構 建築研究本部」。
ただ住宅建築の世界では長く「北総研」の名前で知られてきた。
地方独立行政法人としてつくばの「国総研」とほぼ同じ領域の研究を行ってきた。
国総研が主に温暖地から準寒冷地までの住宅研究をするのに対し
いかにも「開拓使」以来のDNAが残る北海道として寒冷地の住宅・建築について
国の研究機関とはまた別に独自研究開発を続けてきたシンクタンク。
一地方が住宅・建築について独自研究機関を持っているのは北海道のみ。
独特の寒冷地域性から、いかに住宅研究が死活的かをあらわしています。
年に一度、研究成果報告会を公開しているけれど、
ことしは旭川市の本部建物会場のほか、新型コロナ対応でWEBでも同時発信。
わたしは他用もあったので、基本的にWEBで内容を聞かせていただきました。
内容についてはスクリーンショットも「遠慮ください」ということだったので、
写真は、同時に情報発信されているyoutuve動画の表紙カットです。

きのうの発表で強く興味を持ったテーマは、
むしろ住宅建築からはやや拡張的な「人口減少時代の地域づくり」領域。
建築の学問研究には「まちづくり」という計画系の領域も大きく存在するので
それについて「トークセッション」が企画されていたのです。
先日のブログ記事でも触れたのですが、これは今の日本最大のテーマ。
人口減少が加速してきているいまの局面で、本来は国を挙げて
このテーマから逃げずに日夜論議が戦わされるべきだと強く思います。
人口増基調だった時代が終わり、社会構造も思考法も変わらざるを得ない。
人類全体としても先進国はみなこの共通問題に直面している。
資本主義とは市場の拡大を予測前提とした経済システムだと思う。
人口増は市場拡大を提供するけれど人口減は市場収縮につながる。
資本主義社会を支える企業にとってこの環境の中で生き残るために
どうしたらいいのか、日々苦悩が深まっているというのが現実。
であれば社会としてどう対応するか、それこそ「身を切る」改革が避けられない。
当面は規制改革や既得権益の打破などが必須の課題になることは自明。
国民から負託を受けてこのテーマを真剣論議しない政治は危機意識が薄い。
さらには既得権益にしがみつくだけに見える日本学術会議って・・・とも思う。
今の歴史局面でこれ以上の提言必須テーマがあるとは思えない。
・・・っていうテーマに対し、日本国土の北の果ての地方独立行政法人が
地域の最大課題として取り組み、さまざまな具体的提言も行っていた。

北海道は「課題の最先端地域」と自嘲気味に自己規定している。
地方にとって人口減少は危機そのもの。それへの戦い方はまさに死活問題。
人口予測ではかなりのスピードで減少が予測される。国土交通省からは
「2015年に約538万人であった北海道の人口は、2045年には
約400万人になる(25.7%減)。日本の総人口に占める北海道の人口割合は、
2015年の4.2%から2045年は3.8%に低下する。」というアナウンス。
この25年先には市場規模3/4の現実がやってくるし、その先もさらに厳しい。
そもそも経済規模でも社会の「厚み」でも脆弱な基盤しかない北海道が、
人口400万人で、どうやったら活力を維持し続けられるのか、
まさに地域社会にとって喫緊の大テーマだといえるでしょう。

レジュメとかの配布もなく、スクショの撮影・引用発表も不可だったことで、
この内容を確認しつつ文章でまとめるのは時間が掛かると思われます。
本日は取り急ぎ、昨日のテーマについてのお知らせ報道と言うことで、
今後、いくつかのテーマに分節してこの内容を考えたいと思います。