北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

ピラネージ

2014-09-20 21:34:52 | 日記
ピラネージは18世紀のイタリアで、当時、新興してきたヨーロッパのブルジョワジーが

鉄道の発達もあって、イタリア旅行に来た折の、おみやげ用の絵葉書を銅板画で描いて

糊口をしのぐかたわら、幻想の建築として知られる牢獄シリーズなどの個人的銅板画を残

した人。実は、はこだて未来大学の第一期工事の本部棟が出来た時、このピラネージの銅

板画を思い出していました。


こんな銅板画です。







ところがフランスの画像処理の会社が、この銅板画を動く立体三次元の映像にコンピュー

ター処理してしまったのです。少し長いのですが、どうぞ


http://vimeo.com/36757486





人によっては途中で気持ち悪くなってしまう人もいるようなので注意して見て下さい。

(私は大丈夫でした。)
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最近

2014-09-20 11:12:37 | 日記
ある新聞が何かと攻撃されているわけですが、でも、新聞と言うのはインターネットとは

違う有り難さもある訳で、、、、向うの方から勝手にいろいろな情報を教えてくれたりも

します。昔、その新聞の夕刊見ていたら、木村尚三郎さんと言う方の「ゲルマン的十字

路」と「ラテン的十字路」の違いについて触れた文章があって、「ゲルマン的十字路」と

言うのは、町はずれの、ここで別れたら一生会えないみたいな「悲しい十字路」で(どう

も日本は「別れの一本杉」じゃないけどこちららしい、、、)、一方「ラテン的十字路」

は、みんなが出会って楽しいなみたいな「広場みたいな十字路」だと言うのです。これに

は参りました。インターネットの世界も、ここで繋がって楽しくて嬉しいな、ばかりじゃ

なくて、ここで繋がったが「運の尽き」と言う事もある訳で、これは機械のシステムの

問題ではなくて、それに繋がっている母集団の集団的個別的歴史的民俗的心性(ずいぶん

長いぞ)とでも言うべき?問題があるかも知れない訳で、いやはやなんともめんどうくさい

世の中になったものです。(いずれにせよ、あまり楽観的にはなれません、、、。)


写真は江戸東京たてもの園に移築された建築家の前川国男さんの自邸なのですが、私には

何故か日本の住宅にはめずらしい、ラテン的な、地中海的なものを感じさせてくれる傑作

住宅に思えます。(小住宅なのに、建物の外部空間が表と裏でつながっていて、単なる一

軒の住宅の空間構成ではない、、、、とんでもない拡がりと繋がりを内に秘めた住宅とで

も申しましょうか、、、、参りました。)





(またまた、写真はインターネット上でお借りしました。御礼申し上げます。)




















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理顕さん

2014-09-20 08:01:40 | 日記

函館に公立はこだて未来大学という大学が出来まして、大学院棟を増築する時に建築家の

山本理顕さんを、何度か函館空港との間を送り迎えさせていただきました。ある時、車内

で若い時にどんな人とか著者にあこがれたり影響を受けたかと言う話になり、私は林達夫

さんと答えたのですが(生意気にも全共闘世代の人とかよりも明治生まれの人のほうが好

きですみたいな事しゃべりました、、、)、「僕の世代では吉本隆明の「共同幻想論」を

読んで柳田国男を知ったんです、順番があべこべですね」って話をしたら、理顕さんは

「僕は吉本隆明だった」と言って、「固有時との対話」か「転位のための十篇」の中の一

篇を完璧に暗唱し始めたのです。びっくりしました。「詩(うた)の別れ」と言いますが、

若い頃の理顕さんは、詩を諳(そら)んじる青年だったのです。そして、それを40年以上経

っても覚えているのです。「建築は凍れる音楽である。」と言いますが、「音楽」を

「詩」に置き換えても多分同じかと思います。何かを作る時に、人間って、それがないと

やっぱり駄目なのかも知れません。ただ図面引っぱって建物作ればいいって話ではないん

ですね。




昭和12年、林達夫さんは41才の時、古い民家を移築して新橋周辺で建築金物をご自身で探

されて英国趣味の自邸を作られました。



写真は、玄関の中のようです、私も初めて見ました。

 



林達夫さんは職業的な建築家ではありません。百科事典の編集者とでも言いますか、い

ろいろな事柄の精神史の先生と言いますか、なんと言ったら言いのでしょうか、、、、、

つまりそういう先生なんです、、、、。



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