Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

圧制について

2009-08-03 01:15:27 | テレビ
圧制と言っても、別にフランスの絶対王政について書こうとしているのではありません。そうではなく、身近なこと。

ときどき、お客様は神様だ、みたいな発想をするお店の幹部の人がテレビで取り上げられることがありますよね。お客からクレームが出たら、それを宝物だと考えろとか、そういうの。

で、そういう幹部の人っていうのは、ときどき物凄く高圧的なことがあるのです。お客には平身低頭なのに、部下に対しては、彼らが人間だとは思っていないような態度なのです。「~しろよ」とか「~をやれよ」とか「なんで~しねえんだよ」とか、そういう物言いで、あろうことか自分よりも年上の人に対してもこういう言葉使いをするんですね。お客へのサービスがなっていないという理由で、自分の部下をこうした言葉で責め立てるわけです。はっきり言って、こういう言葉使いにはぼくは我慢なりません。相手への敬意というものを明らかに欠いています。こんな言葉使いをする人の野卑な人間性が露わで、見ていて(聞いていて)気分が悪くなります。

こういうのを嫌うって、チェーホフ的だなあ、と自分でも感じますが、本当にやめてもらいたいですね。だいたい、結果的に自分の損になると思うんです。こんなふうに責められたら部下はストレスを感じますよね。するとそのストレスは家庭に持ち込まれます。はけ口は奥さんや子どもたちであったりします。子どもたちはそのストレスを更に学校で発散し、別の子供たちに感染します。その子どもたちはまた別の子どもに、あるいは両親にそれをぶつけます。奥さんは他の奥さんに対して、あるいはお店でストレスを発散します。夫も友人やお店に対してストレスをぶつけます。どこかのお店に対してストレスを発散する場合は、それは当然クレームをつける、という形になります。巡りめぐって幹部の人たちは怒りで顔を赤らめることになるわけですよ。まあちょっといい加減な筋道ですが、でもありそうなことです。

こういう幹部の人たちが、おれは嫌われてもいいんだよ、お客様のためだからな、とか言うのを聞いていると、本当に腹が立ちます。お客のためになっていないし(部下だって、その家族だって別のお店ではお客ですしね)、第一、お客のためだからと言って人間のもちうる尊厳を蹂躙するような言動が許されるのでしょうか。彼にはそんな権利はないはずです。

誰かと話すときは、相手を気遣いたいものですね。