Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

修士論文 第二章・完

2009-08-05 01:13:13 | お仕事・勉強など
去年からせっせと書き次いできた修士論文、第二章が終わりました。他の部分と合わせて、10万字突破。予定ではまだあと一章残っているのですが、もう分量が分量ですので、これからどうするかは先生と要相談、というところでしょうか…

第二章は、メルツァーの『サロメと踊るエクリチュール』という本を読んで発奮してほとんど一気に書き上げました。実は既に下書きはできていたのですが、それを大幅に改良。文学作品の具体例をたくさん出しながら論じられたのでよかったです(それまでは抽象的過ぎたので)。しかし、こうして書き上げてみて分かったのは、下書きの段階でもう今回の改良作を射程に捉えていたことです。思想の萌芽が既に見られたんですね。今回の作業は、だからその草稿を具体化する作業だったようです。

ぼくは神経衰弱ということで薬を飲んでいるのですが、その薬の副作用に悩まされて、ここ何年間も、以前のように本を読むことができないでいます。それで、去年から執筆を始めているのにもかかわらず、ここまで時間がかかってしまったんですね。健康な人が羨ましいですよ。ただ、先月から処方してもらっている薬があまり副作用がないようで、そういうわけで、論文の執筆も大変はかどりました。とにかく本を読めたのが大きかったです。ちょっと前だったら、具合悪くてとてもじゃないけど読めなかったような評論を丸々一冊読むことができました。ありがたい。それがメルツァーです。

『サロメと踊るエクリチュール』はけっこう難しいことも書いてありますが、文学研究者を目指す人なら必読書だと思います。ただ、ミメーシスって何?リプレゼンテーションだって、はあ?という人には難しすぎるので、大学院生以上が対象?でもぼくも、大学に入りたての頃はミメーシスのミの字も知らなかったぜ。へっへっへ。だから、学部生でまだそんなの知らないよという人も、焦らずに勉強してください…。それ以外の人も同様。って、なんかあまりにも生意気なことを書いてますが、この本を薦めたいだけなんです。とってもいい本でしたからね。

明日からまた小説でも読もうかなあ。