Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

家常茶飯

2011-06-05 00:09:14 | 文学
佐藤春夫の「家常茶飯」という小説を読みました。ついさっき。短いのです。
佐藤春夫は怪奇幻想ものや探偵ものにも大きな関心を抱いていたようで、そっち系の作品を何篇も残しています。この「家常茶飯」もその一つ。推理力に長けた男が登場して事件(と言えるほどのものではなくまさに家常茶飯(かじょうさはん)なものですが)を解決します。

と言っても、彼の推理そのものはホームズやルパン、明智小五郎なんかに比べればちょっと見劣りしそうなレベルであってそんなに大したことないように見えます。ではこの小説の魅力は何かと問われれば、全体に渡る軽妙で軽快なタッチでしょうね。次の一節はその魅力を象徴しているように思えます。

「一切を放尿とともに忘却の壺のなかへ流し込んでしまったんだよ。」

ハ、ハ、ハ。おもしろいですね。ある男のトイレの近さが「事件」を解くカギになっているところが、いかにも人を食っているようで、肩の力が抜けています。「ユーモア探偵小説」とでも言うのでしょうか、いやひょっとしたらそんなに作者はふざけていなかったのかもしれませんが、でもこの軽佻な感じがいい味を出しています。

                        ★

さて。今日はコップを買いに100円ショップまで行ってきたのですが、趣味に合うのが見つからなくて、結局何も購入しませんでした。次は別のお店で探そう。

                        ★

今朝の夢。銭湯の脱衣所のロッカーの鍵を失くしてしまいました。それでひどくうなされ、寝起きが悪かったのです。明日はよい目覚めを・・・