今回、図書館で借りてき金田一シリーズはこれ
「悪魔の寵児」
簡単に作品紹介
胸をはだけ、乳房をむき出しに折り重なって発見された男と女。
女はすでに生き絶え、白い肌には不気味な死斑が浮き出ていた……。
情死を暗示する奇妙な挨拶文を遺して死んだ美しい人妻。
不倫の恋の清算なのか?
闇行為で財を成した実業家の周辺に次々と起こる猟奇殺人事件
亡霊のように現れる〈雨男〉
消えた死体の謎とは!
裏表紙にそう書かれてました。
前回読んだのが
犯人が意外過ぎる(誰もわからんよアレは)「夜歩く」
だったため、この本も一通りの人は疑いの目を向けましたよ
しょっぱなから三ちゃんに疑いの目を向けていたくらいですから。
だって、 夜歩く を読んだ後なだけに。
ただ逆に疑いの目を向けなかったのは
種子、黒亀。
あからさまに最初っから怪しげにしてる奴は大抵違いますからね
そんなわけで今回は犯人の目星として2人の人物に狙いを定めて読んでましたが
1人は当たり!
一番最後にわかるのは
やられたっ!また犯人のトリックに引っかかってしまった!
途中で名前が出てきた澄子さん
やはりそのポジションだったのですね、これは察しがつきやすい
さてこの作品
評価はかなりわかれるようですが
私は面白く読めました!
評価はわかれるものの
検索すると大抵書かれているのが
エログロ。
エロい、グロい
これはどの方も思いっきり書いてました。
が、そうかなぁ…
私は別に何とも思いませんでしたが。
「三つ首塔」もそうです
あれはポルノ小説だ!
と書かれている人も多かったのですが
特に何も思いませんでした。
刺激に慣れてしまってるんでしょうか
金田一シリーズは話に引き込まれるので
どんどん読めてしまいます!!
次は何を借りようかな
……さてこの本
ゾッとする本でした。
背筋も凍りつく…トラウマになってます。
本の内容はみなさん、エログロエログロ言ってますが
私は別に…
ただ、それ以上にこの借りた本その物が恐ろしい代物でした。ええ。
最初に読み出した際に白い細い物が挟まっていたんです。
上にひょっこり出ていて。
サッと取り除いたけれど
かなり細くて見えにくいものの
短い白髪のような…
わからないけれど、そんな気がした……
気分悪くなったけど
そのまま読んでいくと
また…
今度は下から出ている白髪のような短い……
弱々しい毛根つきで確実に人の毛髪!
白髪っ!!!
もうっ!!!
気色悪いっっっ!!!
誰だよ!!!何してくれてんのよ!???
そんな事があり
模様替えしてお気に入りとなった自室に持ち込む事も出来ず
もっぱら会社帰りの電車でのみ読書しましたが
電車の中で48ページにまた白髪がっ!!!!
そして50ページにも白髪っ!!!!
いやぁああああ呪われてるっっっ
その先に今度は黒くて縮れた毛
誰だよこれ!!???
どーゆー読み方してんだ!?
あるいは、どーゆー管理してた!?
この本の過去、考えたくないけど
考えなくてもゾッとさせられます。
恐ろしい…!!!
どんなにゾッとするだの怖いだのと言われる本を読んでも
なんだ~大したことね~~
としか思わなかった私
さすがにこれは恐ろしく、ゾッときた!!!!!
ゴミ箱の上でパラパラと一生懸命やったけれど
それでも出てくる毛!
本に触った後は手を洗うまでどこも触れない
ページめくるのが怖い
そんな本でした。
だいぶ状態が古いけど
他の本借りるのもちょっと怖いなぁ……
では最後に
一言感想感想
金田一シリーズでも指折りの残虐性と言うことで
犯人の人間憎悪、侮辱がありありと出されていると作中でも読者からも犯人の残忍性が指摘されていました。
あまりの残忍さから悪魔の寵児と命名されたわけですが
残忍さ…
私は…そうかなぁ、皆さんが言われるほど
そうとも思えません。
犯人の気持ちわかります
自分がこの人の立場なら…
こうなるよなぁ犯人は精神異常者ということになっていたけど
私からは正常かと…。
残忍な人間憎悪侮辱、悪魔の寵児なら
そうさせたモノこそが本当の真の悪魔では
ないだろうかと。
今回の犯人は意外性のある人物でしたが
私はお気に入りの人物でした。
賛否両論の作品の為
オススメしないって書く方もいるので私もあえて進めませんが
気になっている方へ
私は面白かったです。
金田一耕助の出番は少なめ、活躍はあまりしません。そこはご覚悟を。
金田一シリーズ読み慣れていない方は
昭和20年代、戦後間もない時代から昭和30年代と言うことを頭にしっかりおいておかないといけません。
犯人たちの犯行錯乱の巧妙なトリック
今の時代では全く通用しない、当時ならではのテを使ってくるので
最近の鑑識なんたらとか刑事物のドラマやらをよく見ている方は頭が混乱するかもしれませんが
ここでは半世紀前の時代の物です。
以下、簡単感想
犯人が書かれてますので
まだ知りたくな方、全部読んでいない方は
ここでお帰りくださいね。
以下、ネタバレ注意
早苗に関しては最初の時に
!???
と思いました。
美樹子が殺害されたあの緊迫した状態で
1人、美樹子の帯締めがない、どこかで解いて…そして殺害されてここへ肢体を運ばれたのではないかと発言した時
他、3人のマダムは当然ビビる中で
早苗、自身の兄も一緒に三樹子と無理心中的に
倒れている状況で
普通そんな若い子がとっさに冷静な判断が出来るのか、
無理心中を装った偽装で兄は巻き込まれた!
なんて頭が回ってスラスラと喋る辺りが
なんとなく引っかかる。
早苗は清純な大人しいヒロインのお嬢さん的ポジションで書かれていて、しおらしい。
金田一シリーズはまだ読んだものは数冊だけれどこの手のヒロインポジションはたいてい
もー少し芯が強い女性と感じることが多いが
早苗は今回、三太をやや主役ポジションにして描かれた作品。
三太が行動派で自信家のため
早苗はやや強調されなくても それはそれで良さそうだけど…
しかしやはりあまりのこの
虫も殺せなさそうな兄思いでいたいけな
清純可憐な早苗に
女の私は 実はこいつも パパの愛人では!?
そしてパパと早苗の2人が犯人で
パパの愛人たちを侮辱的な死に様を世間にさらしていたのでは???
と考えながら読んでましたが…
半分あたり、半分はずれの
早苗犯人、パパ犯人ではない。でした。
もう一人の犯人は最後の最後までわかりませんで、これが一番びっくりさせられましたが
他の読者さんはきっとまず可憐な早苗が犯人ってことに驚かれたのではないでしょうか
特に男性読者さん。
早苗の兄、宏
作中で自身が犯人の疑惑から避けられる様
様々な自虐的トリックで見事に切り抜けてましたね
私もすっかり騙されました。
最初の方で少し疑ったものの…
やはり連れさらわれたりと色々と危険な目にたくさんあいましたが…
しかし殺されるのかと思いきや
いつもギリギリで生きている!
あまりに可哀想で、またこちらも妹同様に
清純可憐な早苗の男版といった
儚げな画家…というのに騙されました。
私はやはり女!
女だからか早苗にはいくら清純可憐ぶりをつきつけられて、いじらしくしていても
疑ってかかりましたが
やはり女!!!
宏には騙されてしまいました(´Д` )
善良で弱々しくもいじらしい
可憐な印象の優しく仲睦まじいイメージの
石川兄妹 宏と早苗
残忍な悪魔ゆえ、自身らを誘拐させてみたり
世間や警察の目から消え
犯行を。なかなかのものです宏!
しかし宏が残忍な悪魔ならそうさせたのは
宏の実の父親
風間氏。
女中に子を宿らせ
女中は子を出産してから自殺。
子供は宏。
風間は出世がしたくてその女を捨て
種子と言う醜女と結婚。大出世し
そして離婚
その後は美しい人妻、三樹子を妻にし
公認妾3人のマダムに隠し愛人
とんでもない50代イケメンオヤジです。
この男、自身の妻、それから愛人らが
続々と屈辱的姿で他のパートナーつきで
殺されていく、その被害者をどこか冷たい目で見ていたこの男
ラストそいつはハッピーエンドっぽい終わり方に思いましたが
自分の愛した女たちを続々と奪い殺されて
なおもシッカリと自信を保っていたあの男の方が私には余程残忍な悪魔です。
今回の犯人の生みの親なわけですが
宏が精神異常者をきたした残虐性を持つ悪魔の寵児なら
それの実質親であり
彼をそうさせたのがまさにこの風間。
諸悪の根源はコイツなのですねぇ。
今回の話、金田一耕助の出番は少なく
活躍もあまりありません。
三太という若者を中心にして描かれてます。
三太は若さにまかせてよく動いてました。
人間らしくて読んでいてスッキリする人物でした。
三太には可哀想な結果でしたが
この作品は賛否両論と言ったところ。
ネタバレしちゃったんで
読んでね。なんてここで書くのも変ですから
こんな流れでしめます。