神奈川県警松田警察署の警察官と名乗る方が出る。
電話以前に 友人のラインを通して
警察官はメッセージを送っていたのだ。
しかし、既読ならず。
緊張していたのだ。
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「今何処ですか」
「高松山入口バス停近くまで来ました。
「橋に立っています」
「どの位の距離ですか」
300m位と思います。
「歩けますか」
「ハイ 歩けます」
遠くにライトが上向きの車がゆっくり向かって来る。
私の横に停車。
直ぐに警察官が降りて、名前を訊ねる。
氏名を名乗る。
歩こうとすると、パトカーに乗ってください。
助手席に抱えながら乗せてもらう。
ゆっくりと進み、バス停前の
コンビニ駐車場に入る。
赤色灯を点灯したパトカーと救急車
隊員が5名いる。
救命士と名乗る方が、直ぐに血圧測定。
目を懐中電灯で視察。
胸の鼓動を調べる。
救急車のベッドに横たわる。
再度 血圧測定。
登山靴を脱ぐ。
靴下が血が滲む。
脱ぐと血が固まっている。
山蛭が貼りついていた。
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救急車 隊員が言った。
「今年は、山林で山蛭が異常繁殖しています」。
首に2か所、左腕に一か所
山蛭が血を吸い取った痕跡。
私は言った。
疲労と脚の痙攣はありますが
「ほかに傷、打撲はしておりません」
「病院での検査は必要ありません」。
丁重な謝辞とお礼を申し上げた。
救急車は署に戻る。
救命士が、水を飲むように促す。
友人がコンビニで缶コーヒーを買った。
救命士が言う。
コーヒーは駄目です。
水にしてください。
1.8㍑のペットを2本飲む。飲み終わった段階で
パトカー内で事情聴取。
免許証と名刺を提示。
「以前 高松山は登りましたか?」
6年前に登りました。
警察官が
「入山届は出しましたか」?
「いいえ 提出してません」。
当時と様相が全く違っています。
新東名高速道路工事で、一般登山道は困難になっております。
山行歴を聞かれる。
高校生から丹沢山塊登山を始め
大学山岳部で4年間在籍。
20代は登り続けました。
毎年 登山は続けています。
若い警察官が言った。
「だから、76歳でも、単独で凄い山登りが出来るんですね」
感嘆!というか あきれた。
「これからどうしますか帰宅は大変です」
「千葉まで帰るのは大変でしょう」
「こちらで宿泊します」。
「そぅして下さい」。
事情聴取は終わり
警察署の住所と担当警察官の氏名が記載された
小さな紙を貰った、
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当然、帰宅後
お礼状とその他茶菓子と弊社のステーショナリー類を送る。
20時 事情聴取は終わった。
警察官の誘導で国道246に出る。
秦野の温泉ホテルに向かう。
予約していなかったがチェックイン OK。
友人は帰った。
リュックを部屋に置き
食事処に下りた。
生ジョッキとハムとサラダをオーダー
しかし、飲み切れない、食べきれない。
胃腸が疲れ受付ない。
部屋に戻り、妻に今日は帰らない、ホテルに泊まると連絡。
身体の鼓動が速い。
冷蔵庫の丹沢名水を2本飲み干す。
歩数計を見る。
激暑の丹沢を登り下り記録
執念の馬鹿男の阿保な生き様の印だ。
中々寝付けない。
山中を激暑と喉の渇き、脚の痙攣 吸血ダニと格闘
5時間余 彷徨ったのだ。
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続く。