木枯し菊太郎ブログ

日本で森林が2番目の岩手に根を張り
森で働き、森を活かす事に時間を費やして
行きたいと想う者です。

ナタの復元

2010年08月25日 | 野外用品術
昔からあるナタを使ってましたが
柄が割れたり、刃を曲げたりでしばらく
使わずにいたら、口コミで鍛冶職人を
知り直してもらいました。
さすが、切れ味も良いしガタツキもない

この鍛冶職人さんは、陸前高田の方が造る木造川船に
使う船釘を作ったそうで、数少ない伝統の技の継承者です。

岩手日報の記事より

 陸前高田市気仙町の菅野房夫さん(57)は、気仙川でのアユ漁などに使う木造舟を5年ぶりに完成させた。平日は会社勤めをする菅野さんは、明治時代から続く船大工の家の3代目。「舟造りの技術を何とか後世に残したい」との思いを込めて、伝統工法を生かして製作した。26日に進水式を予定している。

 製作した舟は、長さ6・2メートル。地元漁業関係者からの注文を受け、昨年11月に地元産のスギやクリの木を仕入れ、半年間乾燥した後、今年5月から土日を利用して作業を行ってきた。

 舟底のカーブは、ワラを燃やした火で木の板をあぶり、熱湯をかけて徐々に曲げた。底の2カ所に残る焦げ跡が、気仙の船大工の特徴だ。手入れをしっかりすれば25年はもつという。

 木材は、長短さまざまな鉄製の船くぎを打ち込み、浸水しないようがっちりと固定した。全国的に木造の川舟を作る人は減っており、船くぎの入手にも苦労した。今回は遠野市内のかじ屋が作った船くぎを使用した。

 気仙沼市の造船鉄工所の検査担当として働く菅野さんは、1995年から川舟を製作している。舟の新造は今回で18隻目。地元の釣り師によると、伝統を引き継ぐ菅野さんの舟はバランスが良いと定評がある。

 1隻の価格は材料費込みで約40万円という。菅野さんは「木材は失敗すれば修正がきかないだけに、拝むような気持ちで作業した。船大工だけで生計を立てるのは難しい時代になったが、できるうちは頑張り、後世に伝統を引き継ぎたい」と語っている。

 大安の26日に予定している進水式では、伝統にのっとり舟を左回りに3度回して安全と大漁を祈る。