きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

「呪詛」の疑問点(ネタバレを含む)

2022-08-20 18:58:34 | ドラマ・映画

 台湾映画らしい。最初は現代の若者が儀式を配信をするという始まりで最後リングのようになっていく。それにしても、これでもかという大盤振る舞いというか、ホラー要素を詰め込み過ぎたおせち料理みたいで、もう何が何だか。的確に説明するとしたら、見どころいっぱいの上野の博物館のようなお化け屋敷?

 

 

本筋につながると思われるもの:

世界は何でも本人の気の持ちよう(見え方次第だ)という考え方。しょっぱなからこれで始まって、幽霊話の中に精神世界も入ってて非常に興味深いと思った。これで最後「呪いは信じない!」とか言って回避して助かったらおもしろいなと思ったが、ただそういう考えもあると紹介しただけだった。何だったのか。

 

眼鏡クンは主要キャラクター?あの養護施設に勤めているのは偶然なのか。動画撮影の時に居た人と同一人物だったら、あんなに走り回って歯がかゆいとか言ってゾンビのようになってもう助からない状態だったぞ。首謀者でしかも洞窟に入ったり一番不敬なこいつこそが呪われるにふさわしいのに、なぜ数年後も無事に生きているのだろう。

 そして中盤辺りに仕事を放り出して逃走に加わり、どこかの秘境の仙人のところにはるばる調査に赴いて邪教であるという確証を得ていたが、そんなことは最初に動画を撮りに行った時からわかっていることではないのか。

 

仏母という本尊らしき像や、鏡を壊す、洞窟のような筒状のものが怖いとか、幽霊は上の方に居るという感覚は台湾特有のものなのか。その割に、その特性が活かされることもなく結局はぶつぶつホールの仏母の顔を見たとか見ないとかの話に終始する。逆にもっとおだやかな顔だった方が意外で怖いと思う。トライポフォビア(粒々恐怖症)の人には非常に恐怖を感じる映画だが、生憎とこちらは何ともないので、真に味わえなかった。

 

 

 

本筋と関係ないと思われるもの:

虫。同じ種類の蛾の幼虫のように思うのだが、何か意味があるのかな。ドクロ蛾とか。たまにあるけどな、暖かい地方で一種類の虫が大量発生(オゾゾッ)。

 

マンションの怪異。亜熱帯の国の標準的な建物の作りがわからないので、どこのドアが開いていて何が物騒なのか全然わからない。外なのか内なのか、古そうだから全部欠陥住宅では?ガラスが割れて虫が落ちていたが、誰かが投げ込んだのか南国特有の巨大〇キブリが自ら突っ込んできたのか定かでないところがまた恐ろしい。子供の寝室の奥にバスルーム、白のウィンザーチェア、セントラルヒーティングなど西洋の方から来たと思われる様式のなごりが見られる。

 

主人公以外全員死亡。警察官も精神科医も、果てはおばあちゃんまで!最初の交通事故は誰だったんだろ??それほどの呪いということなんだろうけど、そのことで助けが得られる人数が減っていく以外は本質的に主人公の呪いを解くことの邪魔にはならない。村で目撃した色の悪い男性が数人ブリーフ姿で立っている(吊られている?)のは何だったんだろ??儀式をやるたびにあんなに消費してたら人里離れた村人はいなくなってしまう。

 

顔を見ること、もしくは名前を知られることで呪われるのなら、主人公たちはすでに手遅れだ。途中から出てきた法師様のような先生夫妻は何で絶食すると自分たちの呪法が効くと主張するのかわからない上に、ちょっとパイナップルを食べただけで(台湾の名産だから?)遠方で命を落とすとは。しかも点滴はOK?

 結局解決策は耳なし芳一スタイルか歯や耳、髪を捧げるかのどっちか、もしくは両方で、どう考えても人のじゃなくて自分のでないと観客の共感は得られない。命綱の呪文と手印は後に無効と判明(だったら写経も供物もダメではないのか)。フリーメイソンみたいなマークの真ん中辺の左側がちょっとないのが最初気になった。何か意味があるに違いないと思っていたが、特に意味はなかった。

 仏母の顔を見たら全員もれなく頭ゴンゴンするのなら、うっかりビデオを見たであろう警察や医者、おばあちゃんはどうしたのか。直接見たかどうか?じゃあ眼鏡クンは?名前を教えた人は長期にわたってブツブツ?最後なんでめくったの??もう何の話も理解できていないこちらが悪いのです。

 

 

という盛りだくさんの内容で疑問点が多く、時系列無視してバンバン話が進むから怖いというより何がなんだかわからない!

 

 

唯一、あのハスの花が開いたような手のお祈りの形は美しくもあり、ちゃんと理由もあってお気に入りだ。

 

 

 

 


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