きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

乙羽の滝リベンジ

2022-02-02 13:49:43 | 古都探訪
 中学の修学旅行時の不本意な滝の飲用のことをいつまでも覚えていて、
その記憶が消えない。
 
いつかリベンジ!
 
 というか、3本のうち2種類飲んだら無効になるらしいので、
リセットしてやろうという目論見があったが、
住んでいるにもかかわらずあまり東の方に行かない上に、
行った時には巡り合わないという状態が続き、
今まで達成されないで来た。
 
 最初は、京都に来たばかりの頃、オーバーツーリズムで外国人が非常に多く、
坂を登る前から人混みが。
そして、五条坂のなぜか左側の歩道もない方から登り始めようとして、
どこかに行った帰りの手荷物満載な上に、
クラクションを鳴らしたタクシーにひかれそうになり、
面倒になってやめた。
 
 次は、大学の映像授業で追い出され、坂の下にあるホテルに泊まって早朝行ったら、
どこが滝かわからない上に人もいなくて、聞くこともできずに墓地に出た。
ここが飴を買いに来る幽霊の舞台だー鳥辺山イェーイ!とばかりに
感動してどんどん墓地の中を歩き、結局ホテルに帰って来てしまった。
 
 今回は、イトコ夫妻が来るのでそのホテルを勧め、
案内するという名目で滝に近づく。
前もって地図を見たら、なんとなく前回の失敗の理由がわかった。
グーグルマップと清水寺のHPの地図が90°ズレている。
グーグルマップは北が上になっているが、清水寺は東側の山が上になっている。
乙羽の滝は、入って南にあるのかと思っていたが、入って奥の東の方にあるようだ。
 
 その前に近くの安井金毘羅。お札を貼った巨大な岩?みたいなオブジェが不気味だ。
縁切り+新しい出会いだそうな。
(イトコ)「病と縁を切りたい(ぽつり)」うわぁぁ切実な参拝だった。
(イトコ)「一緒にくぐらなくていいの?」
(きの)「さぁ?自分は特に縁を切りたいと思うものはない」
まわりの(客)「チラ」じゃあ何で来たのかと暗に問いかけてくる。
 
(きの)「し・・・強いて言えば、もう少し小柄な体格になりたかったかなーハハハハ」
(イトコ)「脂肪と訣別(笑)?」脂肪の話なんかしてない! 
父のように180cm以上のクマみたいになって布団から足が出たり、
鴨居に頭をぶつけたり、スーツがオーダーメイドしかなくなるのが嫌だったからだ。
母方の小柄な要素を受け継いだものにはわかるまい。
 
 お札には「〇〇と別れたい」だの怨念渦巻く内容が沢山書かれており、
このような空間には極力関わらないようにしたい。
と思っていたら(イトコ)「小銭ないわー貸しといて。後で返すから」
と言って財布から100円玉を奪われ箱に投げ込んで返してくれない。
早々に逃げ出し建仁寺でお茶の実を拾う。
 
 
 肝心の清水の舞台は有料だった。へーそうなのか。
そして、意外にも靴は脱がない。お寺で土足は珍しい。
大原の三千院や南禅寺も長い廊下を靴下で歩かされる。
 
冬でも。
 
 せっかくなので舞台の上で待つように言い、崖の反対側に
(きの)「デデデデ」走り(きの)「ハイチーズ!縦でもう1枚!」
自分は苦労性ではないのか。
 
 この舞台の土台の部分の木は妙に黒ずんでいるが、そういう塗料なのかな?
腐っているのか?
思ったより舞台が外に傾いている理由って何だろう。
逆なら雨がはけないからこれでいいのか。長年の使用で傾いたのではなかろうな。
本当に大勢の観光客がこの木製の崖から突き出た足場のようなものに一度に乗って、
大丈夫なのだろうか。
 
 いろいろと考えながら、いざ、乙羽の滝へ。
中学の時にうっかり飲んでしまった美の水は、右か真ん中だったと思う。
左にいる友達と話していて進んでしまった記憶がある。「知」「金」「美」だったような、いや、真ん中かな。はっきりしない。
 
 とにかく、一番左ではないのだから、左を飲んだら相殺されて確実ではないか。
そして、うちのエビちゃん達に知性を授けたい
 
 
少しでも、水槽の向こう側の世界を認識してほしい。
 
 
 滝の周辺には、どの水が何だとか書いた札や看板はなかった。
そんな訳ないと思うが。
バスガイドさんや引率の教師も、さも常識と言った風に話していた。
イトコもやはりそういった記憶があるようだ。
 
(きの)「そんな地を這うような能力はいらない。超能力とか霊感が欲しい」
(イトコ)「あーそういうのはないねー」さも残念そうに笑顔で否定された。
 
 これは結局なんの水なんだろう??と全員が思いながら長い柄杓で左端のを飲んだ。
そして(きの)「隠せ隠せ」霊水をペットボトルに汲むのはなんだか気が引けるので、
2人の背中ごしに慌てて注ぎ入れる。どうしてこんなに柄が長いんだ!
 
 表側の石の箱に100円を入れ、下の方の社務所に下りて行って
「水の効果は3本とも一緒です。いつでもだれでもご自由に汲んでってどうぞ」
というような貼り紙を見つける。
 
どういうことだ。
 
 あんなにどれを飲むかさんざん考えたのは何だったんだ。
今のご時世だからか。それともバブルの時代に金に群がる亡者どもの列を見てしまった皆さんが心を痛めたのか。
友人の一人は「金、金」と言いながら当然のようにいそいそと並んでいて、
それを見て嫌気がさしたからその列からは離れていようと思った気がするが。
 
 帰り道、ちょうど清水の舞台の真下に竹を斜めに切って交差させた生垣があった。
(きの)「・・・ここにこんなものを設置する意味とは」
(イトコ)「わーきれい」
(旦那)「・・・落ちてきた観光客を受け止めるため?」
わかっているじゃないか。受け止めるってなんだ?
 
 帰って調べてみると、「学問」「恋愛成就」「延命長寿」などと言っているサイトがある。金はどうした。
滝の外側と内側から見ると逆だとか、江戸時代には「学問」「恋愛」「金」という並びだったとか。
ほら見ろ、やっぱり金があったんだ。
現代人は金の代わりに健康が欲しいのか。
 
 美が極まると恋愛が成就するという図式なのだろうから、
美は恋愛とイコールと捉えていいだろう。
いつの時代も美は真ん中のようだ。
その他がその時々で変わるのなら、その時代の基準で行こう。
 
 現代の知、美、健康が外から見た順だとすると、
自分たちが飲んだのは、逆だから延命長寿か。
 
まぁ縁切りより目的は達せられてる感じがするぞ。
 
そしていずれにせよ、これでこちらのわだかまりは解消され、
 
エビは長寿を手に入れた。
 
 
 
 

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