認知症全体の90%以上を占めていて、専門家たちから原因も分からないし治らない病気と言われてきた「アルツハイマー型認知症」は、1995年以来私達が全国的規模で展開してきた市町村における「地域予防活動」(個別の早期発見と回復及び地域単位での予防活動)により、廃用症候群に属する「生活習慣病」であることが実証されてきました。東日本大震災の被災地の高齢者を追跡調査していけば、このことが今後数年のうちに疫学的にも証明されることになるでしょう。「アルツハイマー型認知症」の症状は、脳の機能レベルとリンクさせて判定することにより、回復可能な早期段階の「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)並びに回復困難な「重度認知症」(大ボケ)の三段階に判定区分することが出来るのです。
「アルツハイマー型認知症」の早期段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)と判定された人達は、脳を活性化させることを目的とした個別の「生活改善」(生活習慣の改善)の指導により、正常レベルに回復させることが出来ます。「重度認知症」と判定された人達は、脳を活性化させることを目的とした個別の「生活習慣」の改善指導により、更なる症状の進行を食い止め、或いは「重度認知症」の範囲内ではあるが症状の改善が期待できるのです。但し、自分の生活自立状態に対する自覚が持てなくなっている「中ボケ」からの回復及びセルフケアにも介助がいる状態の「大ボケ」の症状の進行抑制には、家族ぐるみでの協力が不可欠となります。その意味で、地域予防活動を展開するには、地域単位及び家族ぐるみでの「アルツハイマー型認知症」に対する正しい知識と十分な理解が欠かせません。市町村における「地域予防」活動の展開に際しては、「講演」を通じての啓蒙活動が重要な役割を担うことになります。「アルツハイマー型認知症」は原因不明で治らない病気と言う誤った知識が地域住民の間に浸みこんでいます。「講演」によって、「アルツハイマー型認知症」は生活習慣病であり、脳を活性化させる生活習慣によって「治す」ことも「予防」することもできる病気なのだという「知識」を地域住民の間に浸透させることが、活動の開始と広がりを獲得する上で不可欠なのです。
「地域予防」活動を効果的に展開するには、継続性が不可欠です。従って、「地域予防」活動を展開する上で活動データの時系列管理が必要となります。個々の被検査者の神経心理機能テスト結果、脳の機能レベルの判定結果、生活の自立度の判定結果及び脳機能レベルについての評価結果(改善、維持、悪化)などの個人別の脳機能データ並びに判定及び評価結果等についての時系列管理が必要となってくるのです。
私達が開発した「二段階方式」管理ソフト(「エイジング」)は、こうしたデータの管理を、個人別及び集団単位(グル-プ別、地域別、男女別)で時系列管理することが出来るようになっています。このソフトの活用により、「アルツハイマー型認知症」に対する発病を予防するための正常レベルにある人達への「生活改善」の啓蒙、早期段階にあると判定された人達の「正常レベルへの回復」のための「生活改善」の指導、「重度認知症」レベルへの進行の抑制を目的とする「介護予防」のための支援及び指導等の諸施策の効果を個人単位で及び集団(地域)単位で、時系列評価ができます。
下記に「エイジング使用の手引き」の一部を表示します。
各ボタンの機能一覧(主な機能を赤字で表示)
この管理ソフト「エイジング」を活用することによって、定期的な健診(判定)システムが完成することになります。
「アルツハイマー型認知症」は、認知症全体の90%以上を占めているのです。
「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する「生活習慣病」なのです。
「アルツハイマー型認知症」は、早期発見により「小ボケ」や「中ボケ」の段階を見つけることが出来れば正常レベルに「回復」させる(治す)ことが出来るのです。
「アルツハイマー型認知症」は、脳を活性化する生活習慣を日常生活に取り入れることにより「予防」することもできるのです。
「重度の記憶障害」という誤った指針により末期段階の「重度認知症」(大ボケ)しか見つけてこなかった精神科医の誤解が原因で、「アルツハイマー型認知症」は原因不明で治らない病気だという誤解が、日本全国津々浦々にまで浸透してしまったのです。
誤解が幅を利かせている現状が放置されて、何らの対応も対策もとられていないのです。現状のまま放置して手をこまねいていると、高齢化の進展に符合して、今後増え続けることが予想されている認知症の人達に対する「介護保険」の適用は、費用面から制度破綻の危機に直面してしまうのです。
注)本著作物(このブログA-41に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
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