認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症を予防する為の「五カ条」(A-37)

2012-05-07 | アルツハイマー型認知症の予防活動

私達が社会生活や家庭生活を営んでいく上で不可欠の働きをしている「前頭葉」の働きが、正常な老化のカーブを逸脱して、老化を加速させることから「アルツハイマー型認知症」が始まることがお分かりいただけたでしょうか。

 高齢者の仲間入りをした年代のお年寄りが、趣味もない、友達づきあいもない、運動もしない、目標や生き甲斐もない生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を、半年から1年間も継続していると、左脳、右脳、運動の脳のどこからも十分な情報がこなくなった脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)が、働く機会が極端に少ないために居眠りし始め、そのうち「寝たきり状態」になって、間違いなくボケの花が咲くことになります(アルツハイマー型認知症の「小ボケ」の段階)

        

最初の段階の「軽度認知症」(小ボケ)では、社会生活面で支障が出てきているとはいっても、 家庭生活面にもセルフケア面にも特別の支障は起きてこないので、「意欲が少し衰えてきたのかな」ぐらいに軽く考えて、そのままナイナイ尽くしの「単調な生活」を続けていくことになります。

その状態が2~4年も続くと、左脳や右脳も老化を加速し始めるので、今度は花が少し大きくなって「中等度認知症」(中ボケ)の花になります。「中ボケ」のレベルになると、「家庭生活」面でも支障が出てくるようになります。

 それでも、セルフケアには特別支障がないし、言い訳をする時の口先だけは未だ達者なので、「年のせいか」ぐらいに考えて、そのままの生活を続けていると、脳全体の老化が更に加速されるので、最後は末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の花になります。「大ボケ」の段階になってくると、さすがに家族の方も大変なので、認知症を専門とする精神科医のところへ駆け込むことになります。すると、「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし、治すこともできない病気なのです」といって、特別の治療や指導を受けることもなく帰されることになります。或いは、「治すことはできないけれど、症状の進行が遅くなる効果があるかもしれないから」と言って、薬を出してくれる時もあります。これが、現時点で医療機関が「アルツハイマー型認知症」に対してとっている対応の実態です。

この先の対応は、「家族による介護」が期待されていて、それがいよいよ無理となったところで「施設での介護」と言うことになります。

       

「アルツハイマー型認知症」のお年寄りを抱えた「家族による介護」の現実はどうなのでしょうか。家族による介護が、書籍やテレビの報道などで美化されていることが多いのです(その理由はよくわからないのですが)このブログで何度となく指摘してきたように、医師がアルツハイマー型認知症であると診断したお年寄りは回復困難な末期段階の「大ボケ」のレベルなのです。処方される薬と言っても、そもそも「治す効果はないが、ケースによっては症状の進行が少し遅れることがある」として、医師から渡されているのです。家族が介護して「アルツハイマー型認知症」の病気が治るのであれば、どんなに大変な苦労を伴おうとも、介護に従事した家族には苦労にも増して喜びがあると思いませんか。私達は、「中ボケ」の後半から「大ボケ」のレベルの人達を家族が介護する様子を、日本全国でたくさん見てきました。現職を辞めて、自分の人生を捨てて、年老いた「アルツハイマー型認知症」の親を長期にわたって介護する娘さんや息子さん達。年老いた「アルツハイマー型認知症」の夫(妻)を介護する妻(夫)。「原因が分からないし、治る可能性もない」と医師から宣告された「アルツハイマー型認知症」のお年寄りの家族による介護。そうした介護に来る日も来る日も従事する家族の苦労は、筆舌に尽くしがたいとしか言いようがないのです。

       

専門家とされる人達(医師や研究者)は未だに、「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし、治らない病気」と考えています。そのため、「アルツハイマー型認知症」と診断しても、何らの説明も指導もアドバイスもしないのです。私達は、「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する「生活習慣病」であり、早期段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)で見つけて「生活習慣」の改善により脳を活性化することができれば、治すことが出来る(脳の機能を正常レベルに回復させることが出来る)と考えています。更には、「アルツハイマー型認知症」は、脳を活性化する「生活習慣」を心がけることにより「予防」することもできると考えています。

第二の人生を、ボケとは無縁で自分らしくいきいきと生きるために不可欠な「生活習慣」を打ち立てるための「大原則」。ここからが、今日のテーマです。

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、その本質が廃用性の異常な機能低下であるが故に、最も高度な機能である「前頭葉」の機能が異常なレベルに低下してくることが発病の最初の段階となるのです。言い換えると、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちの意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」の働き具合が正常なレベルに在る限りは、「アルツハイマー型認知症」を発病することは絶対に起きてこないということなのです。従って、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する方法とは、「前頭葉」を活性化させる生活習慣の維持と継続と言うことになるのです。「前頭葉」を活性化させるには、「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の出番が多い「テーマ」を実践することなのです。特に、「注意の分配力」の機能の出番が多いテーマの実行が重要となるのです。

「左脳」中心、仕事偏重だった第一の人生とは生き方を変えて、第二の人生では、「右脳」重視の生き方への転換を図り、周囲の目を気にせず、自分らしさが前面に出るような生き方をして、自分がイキイキしていると感じられる脳の使い方(「生活習慣」)を毎日の生活の中に打ち立てることが「必要不可欠の条件」となるのです。「左脳」を中心に据えて、「周りの人達に負けまいと頑張って生きてきた」第一の人生での「生き方」に大きく舵を切って、「右脳」を中心に据えて、「他人は他人として、自分なりの生活の楽しみ方」を追求すること、「自分の置かれた状況を肯定して、自分なりに人生を楽しむ生き方」が、第二の人生では要求されるのです。「この生き方」こそが、「アルツハイマー型認知症」を予防する唯一無二の「特効薬」なのです。「キッカケ」となる状況が起きたときに、とくにこの考え方、生き方が必要となるのです。(その「キッカケ」となる状況の例示については、ここを[クリック]してください)。

      

「意欲」が自然と湧いて来るような自分なりのテーマ、「注意を集中」したり「注意を分配」したりする(複数の異なったテーマを同時並行して実行する前頭葉の機能 )ことができるだけ多い「テーマ」に取り組む中で、自分らしい「生き方」、自分らしい「生活の楽しみ方」を追及し、そうした暮らし方(「生活の仕方」)が「生活習慣化」するよう努力して欲しいのです。

一、熱中し、夢中になれる趣味や遊びをできるだけたくさん持つ

二、たくさんの友達とできるだけ親しく交わる

三、自分なりの生き甲斐や喜び、目標となるものを見つける

四、精神的な張りと適度に緊張感のある毎日を過ごす

五、散歩程度でも良いから、運動する機会を出来るだけ多く持つ

       

「アルツハイマー型認知症」は、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」が異常なレベルに衰えてくることが発病の最初の段階(「小ボケ」)です。逆に言えば、前頭葉が正常に働いている(正常レベルにある)限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないのです。

その「前頭葉」が生き生きと働いている状態を保つには、人生を自分なりに楽しむ「生活習慣」を組み立てて、「前頭葉」の出番が多い生活を心がけることが大切です。

趣味や遊びや人づきあいといった「右脳」重視の生活が、「前頭葉」の働きを活性化させ、或いは前頭葉の元気を取り戻させるのに最も効果的なのです。

趣味も遊びも人づきあいも苦手と言う人には、「運動の脳」からの刺激が意外と効果的です。一日一時間の速足での散歩が目標(5000歩が目安)となります。(ここをクリックしてください)

       

注1)日々の生活では、いつ何が起きるかわかりません。 「キッカケ」に例示してあるような「生活状況」が発生した時は、注意が必要です。ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まらないよう、生活状況に負けない対策と工夫がとても大切になります。

注2)前頭葉の機能を正常なレベルに保っている限り、アルツハイマー型認知症の発病とは、無縁です。そのために不可欠なのは、前頭葉の3本柱の機能である意欲、注意集中力と注意の分配力が良く働くような「テーマ」を「生活習慣」として打ち立てることなのです。

注3)創意や工夫ができるなど前頭葉が正常レベルなのに、認知症が疑われるような重度の記憶障害の症状がある場合は、側頭葉性健忘症が疑われます。病院で前頭葉の働きのレベルも同時に検査してもらうことが必要です。

注)本著作物(このブログA-37に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。


 エイジングライフ研究所のHP(ここをクリックしてください)

                           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アルツハイマー型認知症の治... | トップ | アルツハイマー型認知症の脳... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

アルツハイマー型認知症の予防活動」カテゴリの最新記事