そもそもの問題として何故、アメリカはNATOを作ったのか❓
東西冷戦で旧ソ連陣営に負けないためです。結局のところ、その競り合いはアメリカの勝利に終わりました。
しかし、ここに多くの国々が誤解していることがあります。アメリカも敢えて誤解するように仕向けたのでしょうね❓
NATOは、アメリカを守るためにヨーロッパの有象無象を糾合したのであって、アメリカにとってはヨーロッパを守るためのものではありません。最悪、東側と戦争が起きれば、ヨーロッパを緩衝地帯(戦場)として旧ソ連と戦うための枠組みです。
今は、旧ソ連がロシアになりました。
しかし、旧ソ連崩壊後はアメリカとロシアは対立していません。協調関係にありました。G8を見れば分かります。
ここに再度、対立関係を持ち込んだのがブッシュJr大統領です。
2008年ブカレストNATO首脳会合で強引にウクライナとジョージアのNATO引き込みを決めました。当時はロシアとの摩擦を危惧してドイツのメルケルとフランスのサルコジは、反対しています。
それを更に強引に推し進めたのが、オバマ政権時代の副大統領のバイデンです。
2014年ウクライナ暴力クーデターを主導して、西ウクライナ(過激)民族主義者に政権を乗っ取らせました。
キエフ政府は、NATO加盟を憲法に書き込んで国是とします。
これ以前は、ウクライナは中立でありNATOとロシアの緩衝地帯です。
それを力ずくでNATOに取り込もうとしました。
こうやってバイデンがロシアを挑発して最後に仕上げをしたのがゼレンスキーです。
ロシアの軍事力行使を引き起こしてウクライナ紛争に発展しました。
バイデンさんの目的は、NATOを総動員してのロシア潰しです。
しかし、結局見込みよりロシアが強くてロシア潰しは、ほぼ失敗したと言えます。
ここで2024年米大統領選がありトランプ氏が勝利しました。
トランプ氏の政策は、戦争の終了です。
当然のことながら和平工作を始めて、ロシアとの関係修復が大分進行しました。
それが、今の現状です。
バイデンさんは、NATOをロシア潰しに利用しました。しかし、NATOの本来の目的からは完全に逸脱しています。
ヨーロッパNATOはバイデンさんに煽られて尻馬に乗ってしまいました。バイデン馬の向いていた方向は東です。
トランプ馬の向いている方向は、西になってしまいました。
アメリカの得意技の「梯子外し」が、出てしまいました。
「美しすぎるスローガン」は、単なるスローガンにしかすぎません。
都合が悪くなれば、すぐボイ捨てします。これは昔から変わらないアメリカの行動パターンです。
だからキッシンジャーは、それを「アメリカの友人になれば破滅する」と表現しました。
その意味は、「アメリカのパワーゲームに深入りすると身を亡ぼす」と言う意味です。
だから「遠からず近すぎず適度な距離感を保ち、上手く付き合え」と言う意味です。
今、それをもろに見ています。
パワーゲームは、元々そのような性質があり、プレーヤーの都合でルールが直ぐ変わります。
都合が良ければ「イケイケ!」になり、都合が悪ければ「一抜け!」になります。
トランプ氏は、「一抜け!」を宣言して、後始末はヨーロッパに丸投げしました。
あくどいことに投下資金の全額回収を目論んでいます。
そして自分は、さっさとロシアと折り合って次の金儲けの話を始めるようです。
⇒ロシア貿易とロシア・ビジネス
トランプ氏が大統領就任後、たった1か月でこうなりました。
これは事前に予想されていたことです。だって、そうすると前もって言っていましたから。
バイデン氏はヨーロッパを利用して、トランプ氏はヨーロッパを捨てました。
ウクライナなど数のうちに入っていません。
アメリカにとってヨーロッパNATOはアメリカを守る緩衝地帯です。
それは旧ソ連が強大であった時代は必要不可欠の必需品でした。
しかし、東西冷戦が終わってロシアと折り合うなら、ほとんど必要がありません。
バイデンさんが東西冷戦時代に引き戻そうとしましたが(米ロ対立)、トランプ氏はアッサリと米ロ協調路線に戻してしまいました。
こうしてNATOは、またアメリカの不用品になりました。
ヨーロッパは、NATOが永遠で絶対にアメリカに必要だ!と誤解しているように見えます。
アメリカがロシアと協調するなら、むしろヨーロッパNATOは邪魔者になっています。
そのため、ヨーロッパNATOは選択を迫られています。
①解散
②アメリカに素直に従う⇒アメリカに用心棒代を払う、ゴチャゴチャ言わない
③アメリカ抜きの自前の軍事同盟を作る
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これを理解していない国と理解している国があります。
つまり❓
トランプ氏が、本当の意味で東西冷戦(時代の過去の遺物)を終わらせたと言えます。
今のロシアを見て危険だ!と主張する人は頭がおかしいと思います。
旧ソ連崩壊後のロシアは、拡張主義的な動きは全く見せていません。
アメリカの旧ソ連圏の侵害に対して防衛的な動きをしただけです。
旧ソ連圏以外にロシアは軍事行動をしていません。
そして、大きな侵略戦争をする程の軍事力も国力もありません。
今、そんな巨大な国力を持っているのはアメリカと中国だけです。
悪くないロシアを挑発して悪者に見せかけてバイデンさんはロシア潰しをしようとしました。
あくどいでしょう❓
その尻馬に「思いっきり!」乗ってしまったのが、ヨーロッパNATOです。
馬の降り方の一番いい方法は、アメリカのマネをすることです。
「いや、あれは前任者が悪かったんです。間違いでした!」
政権交代して、全部前任者に罪を被せて、止めてしまうことです。
そう出来ないのはウクライナです。ゼレンスキーを追放しなければ、出来ません。
嘘をついて、「よこしま!な悪事」を働けば、失敗した時責任を追及されるのは当然のことです。
責任逃れをしようとすれば、「よこしま!な悪事」を続けるしかありません。
嘘を一つ付けば、また噓を言わなければならない。これが延々と続きます。
そして、どこかで破綻(破滅)します。
そうなる前にトランプ氏は、賢く「一抜け!」したと言うわけです。
バイデンさんの手先になり下がったヨーロッパNATOは、トランプ氏に捨てられてしまいました。
そこでキッシンジャーの金言を思い出すべきでしょう❓
「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」
毎回、繰り返される光景ですね❓(⇒歴史に学ばない者は滅びる)
※関連日記目次
項目「アメリカ合衆国」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/6ea78b12b6512e36fbdc6eebd50f97ce
2月18日、米ロ・リヤド会談
出席者
<アメリカ側>
ルビオ国務長官
安全保障政策を担当するマイク・ウォルツ大統領補佐官
スティーブ・ウィトコフ中東特使
<ロシア側>
ラブロフ外相
大統領府で外交政策を担当するユーリ・ウシャコフ補佐官
対外情報庁のナルイシキン長官
ロシアの政府系ファンドの責任者キリル・ドミトリエフ
合意内容
①米ロ両国の在外公館の活動を正常化するために必要な措置をとり、両国関係を妨げる要因に対処する協議の仕組みを設置する
②ウクライナでの戦闘について、持続可能で、すべての関係者が受け入れ可能な形でできるだけ早く終結させるための作業の開始に向けて、高官級のチームを任命する
③ウクライナでの戦争を終わらせることでもたらされる経済や投資の機会、さらに、地政学的な利害をめぐる将来の協力に向けた基礎を築く
④協議に参加したすべての関係者がこの過程が迅速かつ生産的に進むよう、引き続き関与していくことを約束する
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
②で「高官級のチームを任命する」との合意があります。
ロシア側は不明ですが、アメリカ側の高官は「スティーブ・ウィトコフ中東特使」だろうと思われます。
時事通信
プーチン氏と3時間半会談 ロシア訪問時のやりとり明かす―米特使
2025年02月24日07時35分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025022400205&g=int
これ以前に拘束されていたアメリカ人が解放されました。これは、口実です。
ロイター
ロシア、拘束の米国人解放 米高官「誠意ある対応」
2025年2月12日午後 12:35 GMT+914日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/Q7UTS6PDZZO3LACSSUZZARYQXY-2025-02-11/
ロシアで拘束の米国人男性、解放され帰国
2025年2月12日 15:13
https://diamond.jp/articles/-/359229
その引き取りの名目でアメリカの高官がロシアを訪問しています。
<23日のCBSテレビの報道>
「拘束されていた米国人の解放のためにロシアを訪問した際、ロシアのプーチン大統領と約3時間半にわたり会談した」
ロシア側は、何となく胡麻化しています。11日時点
「オンラインのフライトトラッカーは11日にスティーブ・ウィトコフ中東特使の私用機をモスクワで確認したが、ロシア政府は同氏の滞在を把握していないと否定していた。」
ロシアを訪問したアメリカ政府高官は、スティーブ・ウィトコフ中東特使です。
もういいだろう・と言うことで本人がCBSテレビで「ネタばらし」をしました。
つまり解放されたアメリカ人を引き取るのは名目であり、この時プーチン大統領と直接トランプ大統領の代わりに話し合うのが本当の目的です。
その後、双方で何らかの事前打ち合わせがあったのかもしれません。
リヤド会談の前に大雑把な合意は形成されていただろうと思います。
リヤド会談では、その後についてもかなり突っ込んだ話し合いが持たれたでしょう。
ロイター
ウィトコフ米特使、中東訪問を延期 ウクライナ巡る外交努力で=報道
ロイター編集
2025年2月26日午前 3:01 GMT+95時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/WKYAKLMJNRI5NOVR4C7O4NNXQM-2025-02-25/
アメリカ側のキーマンであるウィトコフ中東特使が、急遽中東訪問を延期しました。
ウクライナ特使は、ケロッグ氏になっていますが、これはマスコミを騙すダミーでしょうね。名前だけで権限は何もないと思います。ケロッグ特使が目立つ動きをしている陰で、実際はウィトコフ中東特使が動いていたことが分かります。
ロイター速報
ウクライナ大統領、28日訪米 鉱物協定署名へ=トランプ氏
2025年2月26日午前 7:59 GMT+916分前更新
https://jp.reuters.com/markets/commodities/CZ5ZEBCHIZPLFLXJJEYX2J7LDU-2025-02-25/
これは、ウクライナにとっては良い話になると思います。和平交渉が進展すると思います。
ゼレンスキーにとっては、異因果を含められるか、引導を渡されるかどちらかでしょう。
どっちにしてもアメリカ側の本当のウクライナ特使と思われるウィトコフ氏は、トランプ氏とゼレンスキーの会談に立ち会わなければなりません。急にゼレンスキーの訪問が決まったので、ウィトコフ中東特使の中東訪問が延期されました。
ゼレンスキーもワシントンに来てトランプ大統領と直接面会する以上は、アメリカ側の要望を入れた上でウクライナ和平について何らかの合意をするのだろうと思います。
トランプ大統領もアメリカの投下資金の担保が確保できれば、ウクライナの安全保障に関して何らかの約束をすると思います。
この流れを考えるなら、停戦合意は早い時期に実現するかもしれません。
結局のところ、トランプ大統領とプーチン大統領が合意すれば、それが最強の安全保障です。
停戦合意にしても実際に実現するには、ロシア側の同意が必要です。
一旦、停戦合意が成立すればロシア側が、これを破ることはほぼないと思います。
破るとすれば、ウクライナ側です。実際には、どうやってウクライナ側に停戦合意を守らせるかの方が、遥かに大変だろうと思います。過去にも違反をやっているのは、ほぼウクライナ側だからです。
仮に停戦合意が成立するとすればウクライナがこれを守れば、ほぼ合意は守られると思います。
ヨーロッパの停戦監視部隊が、監視しなければならないのはウクライナ軍の方です。
さすがにウクライナ軍もヨーロッパの監視部隊には発砲しないでしょう。
停戦に関しては合意が成立するかどうかが問題であり、その後についてはそれほど問題はないと思います。
※トランプ大統領との会談後、フランスのマクロン大統領が以下のコメントをしています。
CNN
ウクライナとロシアの停戦、「向こう数週間」で実現可能と仏大統領
2025.02.25 Tue posted at 12:14 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35229756.html
ゼレンスキーがトランプ氏と何らかの合意をすれば、停戦の交渉が進展すると言うことでしょうね。
停戦が成立するなら、「英国、フランスの軍隊を平和維持の目的で派遣する方針」のようです。
直ぐ、部隊の編成に取り掛かるでしょう。
※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27