「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

地震予知は、可能なのか?・2023年2月17日

2023-04-01 13:34:52 | 自然災害・気候変動

トップニュース
2011年4月14日11:06 午前12年前更新
地震予知は「不可能」、国民は想定外の準備を=東大教授
https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-20609820110414

地震の前兆を捉える
https://www.jesea.co.jp/

東海大学海洋研究所
地震予知研究センター
長尾年恭
地震予知研究の現状と
3連動地震を超える超巨大地震の可能性
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/15927/00115198/22_siryou3-2.pdf

産総研の海溝型地震履歴研究グループ
予測されていた東日本大震災
https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/s0007.html

今の地震学会と呼ばれる研究グループは、過去の地震を文献から調べることが、中心であったようです。
それは、地震学ではなく単に古文書の地震に関係する部分を調べるだけの研究であったようです。

そうではなく、科学的に過去の地震を調べたり、あるいは周期性を考えたりするようになったのは、ごく最近です。

それは、堆積物を調査することであったり、地面の隆起を調べることであったり、最新型では電磁波の乱れを観察しごく近い将来に発生する大型地震を予測したりする研究が始まりました。

従来の地震学は、地震の予知は不可能だと決めつけて、方法を探そうとはしていません。

それ以外の研究グループが、様々なことを研究しています。
その一つが、津波堆積物に注目しそれを調べる研究です。
「それまで、実態の不明だった全容がわからなかった貞観地震の実態が、ようやく判明したのです。」
これを実際にやると、膨大な延べ人数の人出が必要で時間もかかります。地面をほじっくり返して、実際に調べていくのです。
「まだある!まだある!やっと、なくなった!」
考えるだけで大変です。しかし、それをやらないと本当のことは、分かりません。これを広範囲でやるのです。その膨大な無駄な努力とも思える調査の結果、貞観地震の実態が、判明したのです。当然に、その上の地層も調べます。その結果、慶長三陸地震についても規模が判明しました。こうして、やっとサイクル性が考えられるようになったのです。

そして、この研究班は
「450〜800年間隔で東北地方を津波が襲っていたこと、つまり今後も津波を伴う大地震が発生する可能性があることを予見し、2010年に研究結果を国に報告していたのです。」

だから、これ以前は東北太平洋沖海溝型大地震については予測すら不可能でした。
広範囲に津波堆積物を調査し続けた結果、貞観地震の実態を解明し、周期性も解明しました。
その研究報告が政府に提出されたのが、2010年です。

津波の堆積物を調べることで、貞観地震の後にも、大型の海溝型地震が起きていたことが分かりました。従来の地震学では、分からなかった記録に残る地震を海溝型地震と推定しました。これで、やっと周期性が推測できるようになりました。

東北沖巨大地震、400~600年周期で発生
東大教授ら、断層などで試算
2011年10月9日 3:30
https://www.nikkei.com/article/DGXDASDG08015_Y1A001C1CC1000/
記事から全文引用>
マグニチュード(M)9クラスの巨大地震が、東北沖で400~600年周期で発生しているとの試算を、東京大学の纐纈(こうけつ)一起教授らがまとめた。東日本大震災の震源域で生じた断層のずれと、プレート境界面で1年間にたまるひずみから算定した。

東北沖での同規模の地震は、貞観地震(869年)以来とみられているが、この間に発生した慶長三陸地震(1611年)もM9クラスだった可能性が出てきた。

12日から静岡市で開かれる、日本地震学会で発表する。

纐纈教授らは、国土地理院の全地球測位システム(GPS)の観測データ(東北と関東の343地点)などを使い、3月11日にずれた断層は最も大きい場所で約35メートルと算出した。

東日本大震災の震源域ではこれまでに、陸側のプレートが、海側のプレートによって毎年最大で約8センチ引きずり込まれていることが分かっていたが、蓄積されたひずみは地震以外の滑りで解消されていると考えられていた。

ところが纐纈教授らがGPSの観測データで確認した断層のずれが大きい場所は、引きずり込みが大きい場所とほぼ一致したことから、実際にはひずみは解消されていなかったことが判明。3月11日以前の地震で動いた分も加味した断層のずれと、プレートが年間に引きずり込まれる長さとを計算し、巨大地震の周期を「438年」と割り出した。

東北沖で過去に発生した貞観地震と、慶長三陸地震がこの周期に最も近いため、「400~600年」とした。津波被害をもたらした慶長三陸地震はこれまで、揺れはさほど大きくない地震とみられているが、東日本大震災クラスであった可能性があるという。

纐纈教授は「過去の巨大地震で動いた断層の長さを推定できれば、南海トラフや千島海溝など、ほかの場所の周期にも応用できる」と話している。
<引用終わり

現在の発達した科学技術を用いれば、地震予知は十分可能だと思います。少なくとも、海溝型大地震については、一つの方法が考えだされました。

だから、具体的に地震の予知の研究が始まったのは、ごく最近のことなのです。
おそらく、陸上の断層型大地震についても今後、予知の方法が開発されると思います。

その始まりが、産総研の海溝型地震履歴研究グループの2010年の政府への研究結果報告だと思います。
これが、あと3年早ければ、東日本大地震の津波被害はかなり防げたでしょうし、福島第一原発事故も防げた可能性があります。東京電力は、津波対策を始めようとしていました。具体的にリスクの指摘があれば、おそらく突貫工事でやったと思います。

もう一つ、記録してほしいことがあります。
大地震の前には、必ず何らかの予兆現象があります。
それを記録して蓄積すれば、膨大なデータが得られます。
予兆現象については、単に珍しいことだと放置されて忘れ去られると思います。

地震予知は、単体の学問ではなく様々な分野の集積です。
予兆現象の記録の蓄積も、大切なことだと思います。
信頼性の高いものを、公文書として未来に残すことも大切なことだと思います。

慶長三陸地震(けいちょうさんりくじしん)・慶長奥州地震は、1611年12月2日(慶長16年10月28日)
江戸時代初期の1611年に東北地方の太平洋岸を襲った「慶長三陸津波」を起こしたのは、従来の想定より大きいマグニチュード(M)9.0の超巨大地震だったとする研究結果を、北海道大の谷岡勇市郎教授(地震学)らのチームがまとめた。 東北沖で長さ250キロの海底断層が最大80メートルずれたとしている。2017/05/24

869年の貞観地震

東日本大震災と869年の貞観地震の、サイクルの空白が埋められました。しかし、貞観地震と慶長三陸地震の間にもう一つ大型地震がある可能性があります。

つまり、本当の意味での地震予知学は、まだ始まったばかりなのです。

☆ただし、誤解しないでほしいことがあります。
海溝型地震が起きれば、数百年に一度の巨大地震でなくても、津波被害は発生しています。

1896年明治三陸地震津波(小型の海溝型地震)
東日本大震災と同程度の津波被害が発生しました。

1933年昭和三陸地震(同上)
死者・行方不明者 3064名

どちらもマグニチュード8クラスの部分的な海溝型地震です。陸上での揺れが小さかったのも似ています。部分的であろうと、海溝型地震が起きれば、津波被害はありうると言うことです。
簡単な話、海でマグニチュードの大きな地震(8くらい)が起きれば、津波被害に注意するべきだと言うことです。

更に付け加えるなら・
この二つの小型の海溝型地震が、超大型の海溝型地震の前兆であったのかもしれません。
それは、他のプレート型地震にも応用可能かもしれません。超大型の海溝型地震が、何の予兆もなく発生するとは、考えられません。

必ず、予兆があると思います。
東南海地震について、考えてみます。
1944年東南海地震の予兆は、陸上の断層型大地震の頻発です。大体、40年前から活発化する傾向があります。

2018年(平成30年)6月18日大阪府北部地震
2016年4月14日(平成28年)熊本地震
2014年(平成26年)3月14日伊予灘地震
2000年(平成12年)10月6日鳥取県西部地震
1995年(平成7年) 阪神・淡路大震災

これで、リスクを考えない人はおかしいでしょう。
1995年+40年=2035年
周期性を考えると、100年程度が予想されます。
1944+100=2044年
もちろん、それが外れてもいいのです。
しかし、当たれば被害は大きいですよ。
しかも、周期性を考えるなら?
(怖くて言えません。以前の日記で書きました。)



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