「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ウクライナ紛争とガザ問題がもたらした国際情勢の変化<2024.1.7

2024-01-07 18:12:47 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ウクライナ紛争だけでなくガザ問題も大きく関係しますが、今回は日和見していた国々を見てみます。
戦争が始まった後は、ロシアがあっさり勝ちそうでした。その後2022年9月からウクライナ軍の反撃が始まりロシアが勝つかどうか分からなくなりました。
2023年の中ごろから段々と形勢が見えてきました。
一つ目は、軍事的にはロシアは負けないことです。
二つ目は、経済的政治的にロシアは安定していることです。

経済的に政治的にロシアを崩壊させるというアメリカ・NATOの戦略は、失敗に終わりました。

ロシアは戦争に負けないし、政治的にも経済的にも崩壊しないことが分かって、日和見していた国々はロシアよりの外交を始めました。
むしろアメリカ・NATOがウクライナに軍事介入しないことが分かったので、それ以前よりアメリカ・NATOをはばかることが少なくなりました。
違う言い方をすると恐れなくなったということです。
アメリカ・NATOとの対立軸もはっきりしました。
中国とロシアです。
中国とロシアに頼っている限り、アメリカ・NATOをあまり恐れる必要がないことを、アメリカ・NATOが自分たちで証明してしまいました。

結果として❓
中国は軍事支援以外の部分では、アメリカ・NATOを気にすることなく支援しています。ロシアのエネルギーを大量に購入し(格安で)、西側が提供していた技術や工業製品、サービスなどを全部丸ごと中国企業が代行しました。
ドル決済から締め出されたロシアは、人民元決済に移行しました。

北朝鮮がロシアとの関係を深めたのもその表れです。ロシアで不足している砲弾やミサイルを大量に提供しロシアの武器庫の役割を果たしています。その代わりにロシアからロケット技術など先端部分の軍事技術が供与されたので北朝鮮の軍事力は強化されつつあります。
それどころか、ウクライナには派兵しないでしょうがロシア東部やシベリア方面で兵力や労働力が不足すれば、北朝鮮は人的な部分でも援助すると思います。

イランとの関係もそうです。これまでは、どちらかと言うとロシアがアメリカ・NATOに遠慮して控えている部分がありました。
ロシアはアメリカ・NATOと手切れになったので遠慮する必要がなくなり、大っぴらに関係強化に動いています。
ここにガザ問題が加わって中東諸国の反アメリカ・NATOの機運が高まりました。その反動でロシアに接近しています。

インドは、西側の振りをしながらしっかりロシアと付き合っています。インドが西側を必要とするのは、中国と対峙する部分だけです。西側が考えているインドの関係と、インドが考えている西側との関係は、全然違います。

ブラジルや南アフリカは、元々親ロシアでしたがその傾向を強めています。
親アメリカ・NATOでないイスラムやアフリカの国々もロシア寄りの姿勢を強めました。ガザ問題でアフリカ連合やアラブ連合は、ロシアを頼っています。

つまり❓
グルーバルサウスと呼ばれる国々の多くが、ロシア寄りの姿勢を強めつつあります。

東西冷戦ではなく、南北疎遠の国際状況が生まれました。
北側にいるのは、アメリカ・NATOとその友好国だけです。どれだけいると思います❓
オーストラリア・ニュージーランド・日本・韓国
こんな程度です。

結局、アメリカ・NATOがこれまで行ってきた差別的な外交で不利益を受けていた国々の発言権が大きくなり全部、アメリカ・NATOと遠い位置に立っています。
その遠い位置にいるのが、中国でありロシアでありグローバルサウスであり第三世界の小国です。

「ウクライナ紛争で日和見していた国々」は、ロシアが戦争で負けない、政治的経済的に崩壊しないのを見届けてロシア寄りの姿勢を鮮明にしつつあります。
国によっては、明確に反アメリカ・NATOです。

利権にまみれたウクライナ紛争が、アメリカ・NATOにもたらしたものは国際社会での大きな勢力の退潮です。軍事力を振りかざして道理や正義を無視していれば、やがて国際社会の多くの国々が離れていき、支持を失うという分かりやすい現実が見えます。

ウクライナやイスラエルを支持すればするほど国際社会での支持は減っていくと思います。
ダブルスタンダードは、「ダメ!」だと明確に言われています。アメリカ・NATOの指導者たちには、それがどうしても理解できないようです。

アメリカ・NATOがこれまで必死に関与してきた中東。

『イラク、米主導の駐留連合軍の撤収手続き着手=首相府』
Ahmed Rasheed、Phil Stewart
2024年1月6日午前 4:38 GMT+921時間前更新
https://jp.reuters.com/world/security/SFGZ7AHU7RKCJPOV77GYGGNLMU-2024-01-05/

一方的に戦争を仕掛けて傀儡政権を作ったイラクからさえ撤兵を迫られています。
中東で他にアメリカ軍の駐留を許可する国はサウジとカタールだけでしょう❓
探してみると分かりますけれど、他に同盟国としてイスラエルがあるだけです。アメリカ・NATOは中東からほぼ追い出されたと言うことです。

アフリカでも同じような流れになると思います。親アメリカ・NATOの国は減少していき、親中国・ロシアの国は増えていくと思います。

ウクライナ紛争によりアメリカ・NATOは国際社会の中で政治力を減少させると思います。
ヨーロッパ諸国は、更にそこに経済力の急激な減退が加わると思います。

ロシアを政治的経済的に崩壊させるために始めたウクライナ紛争は、結果として何をもたらすのか❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/408676fe96fbaa0fe4bc1b31cea0713e



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