「北の山・じろう」日記

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増援部隊をアウデイーイウカに送ったウクライナ軍<ウクライナ紛争2024.2.15

2024-02-15 10:01:15 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.02.13 David Axe | Forbes Staff
アウジーイウカ救援へウクライナ軍が予備の部隊投入か 「徹底抗戦」決断の可能性
https://forbesjapan.com/articles/detail/69109
2024.02.13
アウディーイウカにウクライナ軍の予備戦力が到着、第110旅団の一部と交代
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-military-reserves-arrive-in-audiivka-replacing-part-of-the-110th-brigade/

アウデイーイウカの市街を防衛していたのは第110機械化旅団です。補給路を断たれる寸前であり、応援部隊を送るか・撤退するか・壊滅するか・しかありませんでした。
流石に(相当遅いですが)応援部隊を送り込みました。

ForbesのライターのDavid Axeによると第3独立強襲旅団であろうと言うことです。

これで2年戦い続けてきた第110機械化旅団の一部の兵士はローテーションが可能になり後方に撤退したようです。

と言っても送り込んだのが、1個旅団規模の兵力であれば現状維持しか出来ないと思います。第110機械化旅団を撤退させるために増援部隊を送り込んだのなら正しい判断と言えるでしょう。

アウデイーイウカを担当するのは、タブリア作戦軍と呼ばれる軍団です。エリアは、ザポリージャ州からアウデイーイウカまでです。指揮官はオレクサンドル・タルナウスキー准将です。

ちなみに前回、アウデイーイウカに増援部隊が派遣されたのが❓
2023.12.24
アウディーイウカの戦い、ウクライナ軍は2ヶ月ぶりに兵力補充を受ける
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-audiivka-ukrainian-army-receives-reinforcements-for-the-first-time-in-two-months/

この時点でもっと増援部隊を送っておけば、アウディーイウカは十分戦えたと思います。約50日が経過した今は、市街南部と北部で市街戦が始まっており手の打ちようがない状態です。

もし市街戦を継続すれば、バフムトと同じことになります。しかし軍司令官がオレクサンドル・シルスキー大将に交代しました。バフムトの徹底防戦を実行したのが、ゼレンスキー&シルスキーです。かなりゼレンスキー氏の意向が強かったように思います。前面に出て絶対死守を主張していました。(結果、大損失を出して市街全域を失いました)
当時のザルジニー司令官が、どのように考え行動したかは不明です。ザルジニー司令官が肝心なところで何をしたかは、不明なことが多いです。何をしたのかは分からないけれど優秀な軍人なのだそうです。

結果としてバフムトの戦闘は継続され市街戦を戦って、その後バフムト市街西の郊外に防衛ラインを築いてチャシブ・ヤールChasiv Yarを根拠地に何とかここでロシア軍を食い止めました。
もしワグネル内部に問題が発生していなければ、そのままワグネルはチャシブ・ヤールChasiv Yarを攻撃してコンスタンチノフカКостянтинівкаまで進撃していた可能性もあります。運よくロシア軍の内紛に救われたというのが、本当の所だと思います。

もっともアウデイーイウカは、そうならないかもしれません。バフムトの攻防戦の当時は、ウクライナ軍に予備兵力がかなりありました。だから逐次投入のような形で増援部隊を送り込むことが出来ました。今は予備部隊が、もうないと思います。どこかの戦場から引き抜くしかありません。
引き抜ける戦場は皮肉にもゼレンスキー氏が拘り続けているヘルソン州ドニプロ川東岸攻撃作戦に投入している部隊しかありません。

更に追加で送れる予備部隊が無いために、バフムトと同じ大損害を出すような無謀な防衛戦は、やりたくてもやれないと思います。

常識的に考えられる作戦は、第3独立強襲旅団がそれまで戦ってきた第110機械化旅団ほか市街の防衛をしている部隊の撤退を援護して市街の守備部隊を撤退させることです。

アウデイーイウカの西5kmほどのジェベルネSjeverneの拠点に第53独立機械化旅団がいます。ここまで撤退すればコークス工場の拠点と併せて防衛作戦は続行できます。

ロシア側に突出した状態になってしまっているアウデイーイウカ市街を放棄して、市街西側の防衛ラインで防御する方が、現状よりは遥かに守りやすいしウクライナ軍の損害も出ません。

寸土に拘るゼレンスキー氏が、それを認めるかどうか❓
徹底抗戦の大好きなシルスキー氏が総司令官ですからウクライナ軍にとって最悪の決断をする可能性もあります。市街での徹底抗戦を決断すれば、バフムトと同じことになると思います。

唯一の救いは2年も戦い続けていた第110機械化旅団の兵士の一部が後方に撤退した事です。2年も戦い続けて全滅では、余りにもひど過ぎます。

ウクライナ軍に内在する根本的な欠陥が、良く分かると思います。これでは戦闘に慣れた強力な部隊を失うだけです。

70万人の大兵力を後方に隠していたザルジニー氏の罪は重いと言うしかありません。その半分でも前線にいれば兵士に休暇を与えられますし、部隊のローテーションも出来ます。せめて今後は、そうして欲しいと思います。

更にはやるだけ無駄な戦争を止めることを考える事も必要です。ゼレンスキー氏を見ていると「土地ゲバ」に見えます。寸土に拘り、もっと広い土地を失い続けています。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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