「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

欧州サッカー事情~パリサンジェルマンとバイエルン<2023・3・12>

2023-04-07 10:53:52 | スポーツ

私が、欧州サッカーに興味を持つのはサッカー自体が面白いと言うより、色いろ参考になる部分があるからです。
欧州の色々な国のお国柄も分かることもあります。

今日は、PSG(パリサンジェルマン)
PSGが担う、カタールという国家ブランディングと“2022年問題”
小川 由紀子 2019.04.04
https://www.footballista.jp/special/63015

以前は、4大リーグと言われてきました。
スペイン、イタリア、ドイツ、イングランドです。

カタール資本の傘下になった後は、チームの強化に大金を投じるようになりました。金の力に物を言わせて有力選手をかき集めました。
その結果、フランスリーグでは圧倒的に強いチームに変身し、チャンピオンズリーグの常連にもなりました。
その活躍があり、今はフランスを加えて5大リーグと呼ばれるようになりました。

カタールの国家戦略としては、大成功でした。
それまでは、名も知られていないカタールを知らない人はヨーロッパには、少ないでしょう。ワールドカップ・カタール大会も成功裏に終わりました。

しかし、今クラブの問題点が明らかになりつつあります。
PSGにクラブ運営を任せておいたため、ビッグクラブにはなり切れません。スポーツデイレクターが有能ではありませんでした。監督の選択も適当です。ひどいケースでは、首を切った監督が、チェルシー(イングランド)の監督にスカウトされ、その年いきなりチャンピオンズリーグで優勝しました。
そして、選手のスカウトにも戦略がありません。
有名選手を集めてチーム編成する傾向が強いです。
運営部門と編成部門とスカウト部門が、要は旧式で改善されていないと言うことです。スポーツデイレクターは、今シーズン有能な人間を雇いました。
しかし、獲得した選手はそのままですからチームバランスは、崩れたままです。監督も能力に疑問が残ります。
フランスの国内リーグでは、毎回優勝しますがチャンピオンズリーグでは、毎回勝てない理由です。
金だけでは、本当に強いチームを作ることは、難しいと言うことですね。
もし、PSGが他の4大リーグにいれば、今ほど簡単にはリーグ優勝さえできないと思います。今大会も、トーナメント1回戦、敗退でした。

PSGを、軽く一蹴したドイツリーグ王者のバイエルン・ミュンヘン。
ここは、対照的なクラブ運営をします。
収入と予算から、獲得選手を決めその枠は厳格に守られます。選手の給料が高くなりすぎたら、どんな重要な選手でも放出します。
「バイエルンのオーストリア代表DFダヴィド・アラバがレアル・マドリードとの契約に合意した」
レアルは、セルヒオ・ラモスの後釜を移籍金0円で獲得しました。給料の折り合いが、付かなかったのですね。もうお年のセルヒオ・ラモスは、放出されました。
それと契約したのが、PSGであるのは先見の明のない証明です。もう、ピークを大分過ぎた過去の大物を獲得しても大した意味はありません。

2022.07.22
レヴァンドフスキは移籍で「絶対的エース」になれるのか。バルサの復権への問題点
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/wfootball/2022/07/22/post_98/
ポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキ
これまでバイエルンの攻撃を支えてきた大黒柱です。
しかし、本人の退団の意思が固かったため、無理に引き止めませんでした。実績では、現在世界最高のストライカーと言えます(当時は)。しかし、この時点で34歳、先の長い選手ではありません。だから無理な引き留めはしませんでした。長年のバイエルンの功労者の意思を尊重しました。

一方で、出すときは出します。
ユリアン・ナーゲルスマン
まだ、去年の段階で35歳の若き監督です。
ドイツの若手監督の中では、ダントツに評価が高いです。
ライプツィヒから引き抜きました。
「バイエルンがライプツィヒに支払う金額は、2000万ユーロ(26億円)+ボーナスで最大2500万ユーロ(32億円)」
当時のナーゲルスマンは、まだ33歳でした。

ナーゲルスマンが、クラブの期待通りの成果を出せばバイエルンは、向こう20年は監督の心配をする必要がありません。中々、監督の引き抜きにこれだけ大金を使うクラブも珍しいと思います。
もっとも、ナーゲルスマンが本当の大物監督になったらプレミアのビッグクラブが更に大金を出して獲得するかもしれません。ナーゲルスマンが大物になるのは、これからです。
今年は、チャンピオンズリーグ・トーナメント1回戦を勝ち上がりました。
絶対的エースストライカーを失っても、きっちり勝てるチームを作るのは、さすがです。
バイエルンは、その後ストライカーの補強をしていません。長くチームに貢献してくれる若手選手を探している最中だと思います
レヴァンドフスキは
2014-2022まで在籍し、253試合に出場238得点と言う素晴らしい成果をクラブにもたらしました。その後継者となる選手は、そう簡単には見つかりません。

両方のクラブを比較すると対照的です。
マネーゲームそのもののPSG
マネーゲームには参加しないバイエルン

サッカーは、有名選手や才能のある選手を集めれば勝てるスポーツではありません。
クラブの運営者、編成部門、スカウト部門、医療スタッフなどのチームの縁の下の力持ち、監督とコーチ、そして選手。全部が合わさって、チーム力になるのです。



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