爺さん婆さんとイチローを見る

2016年06月15日 | 日記
イチローが日米通算世界最多安打まであと1となった。

今日は仕事だったからイチローの試合が気になってしょうがなかった。

と、ショージ(仮名)さんが、

「すみませんが野球をつけてくれませんか」

と言った。

ナイス!ショージさん!

「イチローの試合ですよね?」

「はいそうです」

さっそくテレビをつけてメジャーリーグの放送にした。

イチローは今日はスタメンじゃないようだ。

「イチローがあと一本ヒットを打つと世界最多記録に並ぶんですよ!」

とちょっと興奮気味に婆さん達に説明。

そんな私の説明に、婆さん達は大した反応もなくテレビを見ていた。

真剣に見てるのはショージさんと私ぐらいだった。

しかし、イチローの代打の場面がなかなか廻ってこない。

えー、ショージさん椅子に座ったまま寝てしまったし。

サツさんなんかイチロー見て「青年学校の時、同級生だった」と言いそうな顔してるし。

ああ、私はこんなシチュエーションでイチローの記録の瞬間を見ようとしてるのね。

老人施設で。

すると、フラフラッと立ち上がったハナさん(仮名)。

どうやらトイレのようだ。

私はハナさんを支えてトイレへ誘導。

そしてドアの前でハナさんを待つ。

………

ん?

長い。

大きい方か。

ちょ、イチロー出てくるかもしれないから、ハナさんも早く出て来てくれ。

やっと出てきたハナさんを連れて来る。

あれ?えー、終わってるじゃん野球。

職員の人に、「イチロー出なかったんですか?」と聞くと、9回に出たけどダメだったとのこと。

ああそうか、それならまだいいや。

ハナさんのウン○を待つ最中、イチローの世界最多記録を見逃したら悔し過ぎる。

明日こそ観れるかな。

わっ、午前4時50分から試合らしい。

仕事行く前に記録の瞬間を見せてくださいなイチロー。

世界最多安打まであと一本。

世界最多新記録まであと二本。