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2015年10月まで、右半身麻痺で車いす生活だった母を介護しながら、日々の出来事や思いを書き綴っていました。
在宅介護の様子や心の葛藤をできるだけ隠さず書いたつもりです。 もし参考にしていただける部分があればと思い、古い情報になる日記もそのままにしてありますのでお許しください。
書いておこうと思っていたこと その1
うちの場合、結局は亡くなる3ヶ月前に特養に本入所(ショートはやめて正式に入所)になったわけですが、
ご存知のように入所すると在宅介護ではなくなるということで介護保険でレンタルしていたものはすべて引き上げになります。
入所した時点では、体調が回復したらまた家に連れて来るつもりだったので、介護ベッドと付属品、エアーマット、ベッドに付けるテーブル(板みたいなやつ)、車椅子(普通の)、玄関スロープ、を特養から紹介してもらった業者から中古でまとめて10万円ほどで購入しました。
それから、特養の中で使うためのリクライニング車椅子を15万円ほどで購入しました。 ちなみに普通の車椅子なら、必ず購入しなくても施設に予備のものがあれば使わせてもらえるらしいです。
しかし日常的に使うにはどうしてもその時、その人の状態に合った物が必要になるので購入がベストということになってしまいます。
入所してからも、選んだ車椅子がなかなか届かなかったり、入院してしまって使わなかったりで、リクライニング車椅子は結局1週間か十日ほどしか使わなかったのでもったいなかったのですが、持ち帰らずにそのまま寄贈させてもらいました。
家にある中古で買った物いろいろも、どうしよう、結局一度も使わなかったから業者さんまた引き取ってくれないかしら、もちろんタダでいいし・・・と相談員さんに話してみたら、
それでしたらよろしければウチで使わせてもらいたい、と言ってくれて、近いうちに運び出しに来てくれるということで安心してたんですが、
それがなかなか来ないな~ 忘れてんのかな? と思っていた半年後の4月の初旬、母宛の郵便物が久々に来てしまったらしくて特養から私に送られてきたと思ったら同時に携帯に電話もかかってきて(郵便物があって思い出した、ってことか)
ちょうどその日は私も実家にいて都合が良かったので運び出しに来てくれました。
相談員2人で、そのうち1人の人は福祉用具に詳しいので、手際よくあっというまにベッドも分解して車に積み込んで、
ついでに、これは医療機器になりますが痰の吸引機を、これは入所する前に病院から退院して10日間だけ自宅で過ごす時に購入したもので、診断書を書いてもらうのに2000円かかったけど市からの補助で無料で購入できたものの数回しか使わなかったから、
これもいかがでしょうか~? 数回だけといっても使っちゃったから無理にとは言えないけど、まだ使ってないカテーテル(消耗品)だけでも貰ってもらえませんか? と言ってみたら、こころよく持って行ってくれました。
ただ、玄関スロープだけは特養では使い道がない、ということで・・・ そうよね。完全バリアフリーの建物にスロープ要るわけないから じゃあもしも中古のスロープが必要だっていう人がいると耳にしたら知らせてください、ということで、今も実家にあります。
すべて車に積み込んでから二人が母にお線香あげてくれて、
ちょうど桜の頃だったので 「桜がキレイですよぉ。 お母様の写真を持って見に来られたら?そしたら必ず声かけてくださいよ。」と言ってくれて、
そうだった、去年の今頃もショートで滞在していた母を車椅子で特養の目の前の桜の名所を少し散歩したんだった・・・
ありがとうございます と今回は笑顔で相談員さんたちを見送ることができましたが、
内心・・さすがに今年の桜はつらかった・・・早く散ってしまえばいい、なんて反社会的な(?)ことを毎日思っていました。
去年は母と下の姉と3人で、その特養の近くの土手の桜を見て、
おととしは父と母と3人で縁日のある桜の名所で、焼きそば食べて、お猿の芸に笑ったっけ・・・座る場所がないと困るからって父がパイプ椅子を家から車に積んで持っていって、父が車椅子を押して私がパイプ椅子を両手に持って後を歩いたっけ・・・でも結局必要なかったんだよな・・・あのパイプ椅子重かったな・・ なんて懐かしくて懐かしくて。
話が逸れましたが、特養からは数日後に施設長さんの名前でご丁寧なお礼状が届きました。
ご寄贈いただいた目録、として今回運び出してもらった物が箇条書きにされた立派なお手紙でしたが、・・・あれ、最初に寄贈したリクライニング車椅子は???と思ってしまったのも事実です。
・・・まさか寄贈したことになってなくて母の荷物が入れてあったあの倉庫に置かれたままだったりして??
まさかね
でも今度こそ本当に、母がいた部屋はガランとしてしまいました。
あ、福祉用具とは関係ないけど、残ってもったいないと思っているものは、
オムツ用の無料収集袋。 実家の市は周辺も同じですが可燃ゴミと不燃ゴミを有料袋を買って出すんですがオムツ(子供のものも)は専用の無料袋が貰えるんです。 条件はありますが。
残っちゃったのが数十枚。 近所の人に・・・とも思ったんですが、必要な人は支給されてるし。 返しに行くのもなんかね・・
紙オムツも支給してもらってたけど途中から使わなくなったリハビリパンツもたくさんあったんですが、封を切ってない袋は全部これも特養で使ってもらいました。
こういうことをひとつひとつ頼んだり相談したりできるという面でも施設の人が話しやすい信頼できる人だと助かりますね。
白色の紫蘭、たしか去年は咲きませんでした。
絶えてしまったのかと寂しく思っていたら、今年は弱々しくも1本だけ咲いてくれました。
もともとは母が七十くらいの頃に、木目込み人形教室の友達から分けてもらってきて植えたもの。 ・・・その後その人はなぜか突然に自ら人生を終わらせてしまい、紫蘭が咲く季節になると母は悲しそうでした。
人の命は終わっても、花は季節が来ればまた咲き続けるんですね・・・ ただそれだけのことなんですけどね