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2015年10月まで、右半身麻痺で車いす生活だった母を介護しながら、日々の出来事や思いを書き綴っていました。

在宅介護の様子や心の葛藤をできるだけ隠さず書いたつもりです。 もし参考にしていただける部分があればと思い、古い情報になる日記もそのままにしてありますのでお許しください。



特養へ

2015-07-31 09:26:06 | 特養

母はいったん14日に退院し、23日に、家から特養へ入所しました。。 3人の娘に見送られて。  「もう家に帰ることはないかも」とはとても言えなくて、
いつものショートステイと同じように、「まだ体が良くなっていないから、看護婦さんがいつもいるK苑へまた行こうね。 もっとごはんが食べられるようになって、足にもちからがついて立てるようになったら、また家に帰って来るんだよ。 だから頑張ってね・・」 と言いました。
K苑の人たちも私たちの気持ちを尊重してくれて、ショートステイの時と同じ対応でいろいろしてくれています。

入所の日。 私と下の姉が一緒に送って行って、職員の皆さんから歓迎の花束をもらった母と。



花束を渡すときにも入所とは言わず、「退院おめでとうございます。よかったですね!」 と言ってくれました。


退院してから入所まで9日間、ヘルパーさんや訪問看護師さんの助けを借りながら姉妹で泊り込んで介護しました。
リクライニング車椅子を借りたけれどほとんど移してあげることが出来なくて、食事もほとんどベッドの上でした。
食事のたびにむせたり喉に詰まらせたりしてハラハラしたり、痰の吸引機も結局タダで購入できましたが、訪看さんが来たときに吸引してもらって、排便も訪看さんに摘便してもらわないとで。
家にいてもかえって心配でしょうがなかったから、入所した時は「ホッとした」気持ちでした。

安心して看てもらっているという安堵と、 本当にこれでいいんだろうか? というやりきれない気持ちと、 今は半々です。

家にいたあいだ、K苑へ行くという話をした後、よくわからないながらも母が言った言葉とか、
母の妹たちに話したときの悲しそうな、がっかりした顔とか、
訪看さんの一人に言われた 「これならまだじゅうぶん家で看られるのに、なんで?!」という言葉とか、

入所の決心を迫られたときには、ショートが無理な状態なら入所しかない、病院で暮らすよりは・・ としか思えなかったけど、
別の選択肢もあったのだろうか。
「別のショート先を探せば良かったじゃない」 という人もいた。

人に言われる言葉をいちいち気にしてたらキリがないけど、ひとつひとつが胸に刺さったままになる。


でも! この半年余りは、家より多く過ごしていたK苑だし。
ここなら、食事のたびに車椅子に移してくれて、ユニットの他の入所者や職員も顔見知りだし。(いつもショートで利用していたユニットにしてもらえました。)
個室はキレイで眺めもいいし、いつもエアコンで涼しいし。
入所して1週間たち、退院後家にいたときよりも体調も気持ちも落ち着いているように見えます。
だから・・・ 良かったのかな。

と、自分に言い聞かせながら

思ってもみませんでしたが、入所となるといろいろまた面倒な手続きがあって、病院の引継ぎとか、まだまだ家族が行かなきゃならない用事がけっこうあります。
それが一段落したら・・・ もうすべてのことをK苑に任せることになります・・・
自分が介護者じゃない生活って・・・それに慣れることはあるんだろうか?と思います。
在宅だったら、毎日ひっきりなしにいろんなことがあって、いろんな人が出入りして、家もなんだか活気付いてた。
今はひっそりと。

でもいつか、また在宅に戻したい。
母に話した言葉の通り、また家で母と過ごす日を虎視眈々ともくろむことを自分の支えにしています












退院準備から一転・・ 入所へ

2015-07-11 22:40:44 | 介護の日常

まるで初めて在宅介護を始めた時と同じくらいの大変さと熱意で、着々と進んでいた準備。

日常的に痰の吸引が必要になったので、家にも用意しておかなければで、
レンタルか? と思ったら、購入でも障害者手帳がある人は申請すれば市から助成が出るという。
申請書に、医師の診断書と業者の見積書を添えて提出し、審査が通れば上限56000円まで(一般的なものは5万円前後)
課税世帯なら1割負担、非課税世帯なら負担なし。
つまり母ならタダで5万円くらいの痰吸引器を購入できる。
・・ただし診断書に2千円ちょっとかかった
そしていつでも使えるように、退院するまでに看護師さんから吸引の仕方を指導してもらう。
それが もう見てるだけで苦しそうでとても出来ない
「最初はそうですよ~ 慣れですよ。慣れ!」 って看護師さんは言うけど

それと、今の母の状態は
いつ呼吸が止まってても不思議は無い
んだそうで
24時間対応できる往診医が来るように契約しておかなければならず、
現在来ている訪問看護師のところも往診医がいるけど、24時間対応はしていないので
他の往診医を当たって見つけ、家族が面談に行って
とてもいい人で、こんなお医者さんが来てくれるなら本当に良かった!

と意気揚々と(?)していたら・・・

ケアマネさんから、
ショート先の特養K苑から、空きが出たから今なら入所できるよ、と真っ先にうちに声をかけてくれた、と。
えええー
今はまだ入所なんて考えてないのに!

K苑のNさんという相談員さんは、母が最初にショートを利用した時からとても気にかけてくれていて
・・ケアマネさんいわく、「ご家族が一生懸命だから自然にサポートしたくなっちゃうんだよ」と言ってくれたけど、
今回の入院中も何度も何度も母の様子を見に病院へ行ってくれたそうで・・
状態を見ていて、どう見ても在宅介護は厳しいだろうと、
・・たぶん主介護者が私なので無理と思われるのでしょう
それにたぶんですが・・これからも医療的なケアが必須になってくると、入所者のほうがやりやすい、というか判断をすすめやすい?ようなところもあると思います。
ショート利用者だと、主治医は施設と関係ない他の医師だから、何かあった場合にもいちいち家族に連絡して外の病院へ連れて行かなきゃならないということになるので。
このことは今までも再三、問題になったことで。
もちろん私たち家族はそれでも何でもショート利用できるなら在宅を続けたいと思っているのですが。

でももちろん私たちも、今は続けたいけれど、この先またショート使いながら半年も1年も続けられるかと言われたら自信がないのは確かで・・
去年みたいに、自分が突然病気になったりして介護を続けられなくなることもあるってわかったし、
母だってまた入院するようなことがあれば、
その時になって入所させたくなってもすぐに受け入れてはくれないから、結局は他の施設か療養病院ということになってしまう。
それだったら母も慣れて第二の我が家のように言っているK苑のほうがずっといい。

だけど・・まだもう少し続けたかった。 せめて父の一周忌くらいまでは。
私自身のために。 介護を施設に任せちゃったら、自分は何を拠り所に生きていればいいのか・・
いつのまにか、介護しかない人間になってしまっていたのです。

そんなことを考えながら返事を数時間だけ待ってもらって、とりあえず母の病院へ。
そしたらちょうどお風呂に入れてもらってる最中で、担当看護師の男性Sさんに言われてラウンジで待っていると、
Sさんが入って来て私のためにたぶん看護師さんの教科書みたいな本の痰の吸引の箇所をコピーしたものを
「うまく説明できないけど、せめて参考に・・もっとわかりやすいものも今度さし上げますね」 と
その気持ちが嬉しくて、Sさんに甘えて今の状況や入所の返事を迫られて悩んでいることなど話してみたら、
Sさんはミーティングの時間のはずなのにそのまま一緒に悩んでくれて、頭かかえて考えてくれて、
ずいぶん長い時間いろんな話をしてくれました。

たとえば、皆さんが口を揃えたように母のことを 「いつ呼吸してなくなっても不思議ない」って言うけど、
ほんっっっっとに、そんなことあるんですか って聞いてみたら Sさんは 「あるんですよ・・ ご家族にとっては信じ難いことなのはよーくわかるんですが、本当にあるんですよ。 我々はいろんな人を見てきてますから、みなさん本気でそう言ってるはずですよ」
と、私にもよくわかるように例を出したりして説明してくれました。
母のように現在特別大きな病気ではない高齢者の場合、年齢と、老衰の様子は見てわかると。 それが根拠。
誰でも自分の親のことは、実際の年齢はよく知ってるんだけれど 「老衰」はピンと来ない。 たしかに
いろいろと・・ 去年の父のこと、自分が肺炎になって何もできなかったこと、などなど話したり、
Sさんも看護師としての見方をいろいろ話してくれました。
・・今までにこんなに親身になってくれる看護師さんに初めて出会いました。

そして実家に戻って姉二人と三人で話し合い、入所にすることになりました・・・
退院して家に帰って、入所の日まで1週間弱・・ もう1日でも2日でも引き伸ばして家にいられるように、ケアマネさんに交渉してもらうことにして

こんなことになるなら、もっと早く退院するようにしておくんだった・・・ また後悔が。
申請した吸引器も、往診医も、必要なくなってしまった・・
なにより今まで訪問してくれていたヘルパーさん、看護師さん、マッサージ師、訪問入浴の皆さん、たくさんの方々ともうお会いできない、あるいは最後の訪問に・・ 泣けちゃうよ~
なんてたくさんの人にお世話になったことだろう・・  母だけじゃなく私が助けられていたのに。

今はとてもつらいけれど、これからは、K苑の皆さんに同じように、感謝しながらお世話になるのですね。
私は別の形で何か皆さんの役に立てることがないか探してみます・・・

母が家にいる最後の1週間・・・ 毎日をより大切に、泣かないように(今から泣いてるし)、笑顔で・・ 過ごしたいと思います










もう一度、家で。

2015-07-04 23:53:40 | 介護の日常

16年間の在宅介護のあいだには、何度もいろんなことでかかりつけの病院へ入院しましたが、たいてい1週間ほどで熱も下がって食事も摂れるようになれば退院、という運びでした。
今回も同じようにすぐ退院できるつもりで、母自身もすぐに体調も良くなって、点滴は最初の3日間ほどだったし、食欲も出てきて、
でも先生はなかなか「退院」とは言わなかった。
ぎりぎり1ヶ月入院してから「転院」 がいいと。 療養型の病院へ。

やはり今までのようには、もういかないんだなぁ・・・と私も姉たちもガッカリ。
何が違うのかと言えば、導尿留置バルーンを外すわけにいかないので、どうしても感染しやすい。
食欲はあるけれど、自分でうまく口に運べないから食事が全介助になってしまった。 嚥下も悪くなったから思うように水分も取れない、ますます感染しやすい。
体が、特に足が痩せてしまって、装具もガバガバ たぶんもう立つこともできない。
もうベッドだけの生活になるかもしれない、
でも、それでももう一度、家に連れて帰りたい。
私自身がこの7ヶ月くらい?母の世話をすることで心の均衡を保ってきたようなところがあって、母がいない実家にいると空しくて空しくて涙が出てきて。
この心の隙間を埋めるために世話をさせろ、というのも母には迷惑な話でしょうが、
たとえいろいろ不便でも、病院よりは家にいるほうがいいよね? と無理やり「ウン」と言わせ

先生が、「それならそれでもいいけど、でもキビシイよ?きっとまたすぐに同じことになるし、その間隔はだんだん短くなると思うよ・・」
でもどうしてもと言うなら、ケアマネージャーと相談してじゅうぶんに準備をして・・
ということでケアマネさんがショート先のK苑に聞いてみたら、今の状態でもショート受け入れ可能と言ってくれて
車椅子はリクライニングに替えて、通院などで家の車に乗せるときにはケアマネさんの事務所が普通の車椅子を貸し出してくれるそうです。
だって・・・だって・・
車、買ったんだもの~~
父の車を最近まで乗ってたんですが、さすがにこちらも16年前から乗ってる車だったから古いし、いろいろ問題もあったので思いきって私の名義で軽の車椅子移動車を購入してしまったんです。
でも軽だから・・・やっぱりリクライニング車椅子は大きすぎて乗せられない そのために買ったのに皮肉なもんです。
なんとか使いたいな・・・ 介護タクシーは高いんだもん。 かかりつけの病院1回往復するだけで9000円
それにしても自家用車はいいけど、最近は何でもコンピューターみたいで・・ スマートアシスト? エコアイドル? カーナビもオーディオも、50過ぎた古い頭には使いこなせませんわ
自分ではすごい安全運転してるつもりなんだけど、1週間のうちにスマートアシストで2度も緊急自動ブレーキかかりましたよ 病院と実家の往復しかしてないんだけど。
機械がすごいんだか自分がヘタなだけか?