最後の春 2021-04-06 21:57:08 | 日記 暖かい春の午後、彼は近所の公園にいた。でも、陽射しを避けて日陰にいた。まるで、身を隠しているようだった。 見れば、口を2秒間隔で異様に大きく開けている。それも、すっかり地べたに座り込んだままでだ。とても、身体の調子が良くないようだ。 きっと、彼は来年の春を迎えられないのだろう。でも、身だしなみはしっかりとしている。肌艶も決して悪くはない。僕は、彼のように野で生きる者達に憧れている。媚びず、気丈に最後の時まで凛と生きるからだ。そんな生き方に、少しは近づきたい。