イタリアブランドの有名電気機材メーカー Marelli(マレリ)が提案、電気式アクティブサスペンション 用のユニットを発表しています。これは、F1 界でもそうだった様に、市販車でも革新的な装置として主流になる可能性があります。
現在、米国で開催中の世界最大の見本市・CES2024 で発表された製品で、従来のオイル式のダンパーユニットに代わる、モーター制御のダンパーユニットです。走行中の速度やホイール回転速度、ブレーキ操作や舵角、路面の起伏の状態などを検知して、電子制御式のオイル式ダンパーの場合よりも、ミリ秒単位で ホイールストローク位置を最適に保つ制御が可能になり、乗り心地だけでなく、ロードホールディング性能を向上させ、タイヤ摩耗と燃料消費を抑え、環境性能を向上させる事が期待できます。また、内臓モーターで制御を行なう為、その際に、ホイールの上下動エネルギーを電気エネルギーとして回生できるため、今後の EV(電動車)に最適な機構となるでしょう。
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〇 Marelli は、かつて F1 のフェラーリなどへ電気部品を提供していたので多くの人が目にしているでしょう。現在は、2019年以降、日本(さいたま市)に本社がある カルソニックカンセイ と経営統合されています。なお、カルソニックカンセイは、ラジエーターなどの自動車部品メーカーで、レース界でホシノレーシングに協賛して名前を覚えた人も多いでしょう。
〇 「アクティブ サスペンション」とは、F1 で ロータス 78がグランデエフェクト を利用したダウンフォースて圧倒的な成績を収めて以来、路面と車体底部との感覚を一定に保つ事が重要となっていき、1992年、ウィアムズ が FW14 で電子制御方式の油圧式ダンパーユニットを搭載し、N・マンジェルの操縦で圧倒的な成績を収め続けた事で有名です。ただ、最適な制御を行なう為には、走行するサーキットの走行路面や縁石の起伏、購買などを事前に精密に計測を行ない、そのデータを元に制御を行なうど、チーム財力やデータ収集能力の違いが遠因となり、1994年以降は禁止となりました。
〇 電動車で、ホイールを駆動するモーターがホイール内部に収まる「インホイールモーター」との相性が良い事も特徴です。四つのホイール別に最適な駆動力配分がミリ秒単位で制御可能な「インホイールモーター」であれば、ストローク位置も同様に制御を行なう事で、更に優れた性能を発揮する事が期待出来ます。その組合せが二輪車、それも前輪も駆動するオートバイで実現できれば、現在では考えられない走行性能を発揮するでしょう。
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