今年の冬は寒い。立春から一昨日の雨水までの約2週間で最高気温が平年気温を超えた
のは京都市内でわずかに4日。二十四節季の一つ「雨水」は空から降る雪が雨に変わり、
氷が溶け水になるという意味で、昔から農耕を始める目安とされていたそうです。
低気温が続く中でも植物はわずかな気候の変化を感じ取り、近くの北野天満宮の梅は
あちらこちらでつぼみを開き観梅客を楽しませています。
さて、今週の花の紹介は「ツバキ」です。漢字で「春の木」と書くように「花椿」は俳諧では
春の季語ですが早咲きものは冬さなかに咲き始めます。
雪の中で春を待つ花姿、つやつや輝く葉も私たちに勇気と希望を与えてくれる花木です。
梅が中国から渡来したのに比べ椿は日本原産の常緑樹、日本を代表する花の一つです。
葉に光沢があるの意味で「艶葉木」(ツヤハギ)、葉に厚みがある意味で「厚葉木」(アツハギ)
など名前の由来は色々です。幹は建材に、種子から採れる「ツバキ油」は頭髪用に、食用にと
利用されています。
前書きが長くなりましたが京都市内の情報紙に等持院の椿が見ごろとの記事をみて、
散歩コースにある寺院でもあり立ち寄ってきましたので紹介します。
「有楽椿」(ウラクツバキ)といい、江戸時代の初め豊臣秀頼が寺を復興ときに植えられた
ものと伝わり樹齢400年余りの古木です。樹高十数メートル、薄ピンクの小さな花をつけ
ています。ただ、残念なのは庭園の西北、茶室横に植えられており、柵で囲われて近づけ
ないため、小型デジカメでは思うように写せなかったことです。
上の写真は方丈の入り口付近に樹高十メートルを超す山茶花の大木がありましたので
写したものです。
別の日に京都府立植物園で写した三種類の椿の花も添えておきます。
上から「寒椿」・「桃雪中花」・「白侘助」という種類です。植物園には約250種類
400株の椿が植えられ、これから春の終わりまで楽しめますのでお勧めです。。