私たちは季節の移り変わりを花木や鳥、木の葉の緑の深まりから感じ、それぞれの季節を
楽しんで暮らしています。
初夏の今、水辺を彩るアヤメ・カキツバタは日本古来からある「和の花」でもあり、寺社の庭園
や民家の鉢植えなどあちらこちらでお目にかかれて楽しませてくれます。
まずアヤメ(文目)ですが、私の散歩コースでは竜安寺の池の辺に植えられていて4月下旬
ごろから楽しませてくれています。水の中に生えているように見えますが、実はアヤメは乾い
た土を好み、水際より離れて植栽されています。
「花弁の付け根あたりに網目模様がある」ことが大きい特徴で、私のような植物に疎いもの
には杜若との違いはこの一点だけが区別のポイントです。
次にカキツバタ(杜若)ですが、私の散歩道には咲いてませんので、上賀茂の大田神社の
参道脇の“大田ノ沢”約2000㎡に自生している25000株を見に出かけてきました。
平安時代からの名所で国の天然記念物に指定されている野生群落です。
藤原俊成の短歌「神山(こうやま)や 大田の澤のかきつばた 深きたのみは 色にみゆらむ」と
詠まれてること、また、尾形光琳の「かきつばた図」のモチーフになったことでも有名です。
勿論、他からの受け売りです。
花弁の付け根あたりに白色の目型模様があることや、生育場所が湿地や水中の泥地であること
がアヤメと区別するポイントです。
アヤメ・カキツバタのいずれも学名「アイリス」アヤメ科アヤメ属の植物で、世界各地にその仲間
が約300種類もあるそうです。毎朝立ち寄る平野神社に咲く「ジャーマンアイリス」のカラフルな花
6種類を紹介して終わりにします。