蒲田耕二の発言

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伏魔殿

2010-09-12 | 社会
郵便不正で逮捕された厚労省の元局長が無罪になったというので、大阪地検特捜部が悪の権化か何かのように叩かれている。昨夜NHKが放送した特番は、捜査がズサンだ検事がサラリーマン化していると、クソミソのこき下ろしようだった。

元局長の罪が濡れ衣だったというのは、検察側調書の大半が証拠採用されなかった時点ですでにほとんど確定していたし、検察が組織の頽廃を来しているのも事実だろう。有能な女性キャリアだという元局長の嫌疑が晴れたのはめでたいと、オレも思う。

でもなんか、もやもや感が残るんだよなあ。

郵便不正事件が明るみに出たのは、宙に浮いた5000万件の年金記録から居酒屋タクシーまで、数々の不祥事で官僚のパブリック・イメージが落ちるところまで落ちていたころだ(いまだって、別に上がっちゃいないが)。

善意に解釈すれば、検察はこうした世間の不信感を受けて官庁という伏魔殿の大掃除に乗り出した、とも考えられるのではないか。官僚が利権を数々握り、政権が変わっても天下りその他の慣行と既得権を死守しようとしているのは異論の余地がない。

もしも検察が今度の敗北で信用を失い、官僚不正の摘発に困難を来すなら、国民にとってはそっちの方が大問題だろう。

かつて検察に逮捕され、“外務省のラスプーチン”と呼ばれた佐藤優氏が、この辺のところを明快に綴っている。なかなかおもしろいです。http://news.livedoor.com/article/detail/5001707/

ただし、氏の言う国策捜査の真の標的が、厚労省に口利きをしたとされた民主党の議員だったとすれば、ことはまた別の様相をおびる。事件は検察がマスメディアにリークして明るみに出たそうだが、これって小沢の二度にわたる不動産疑惑報道と同じパターンだよね。

検察の霞ヶ関攻撃に見せかけて、実は官庁挙げての民主政権攻撃の茶番だったりして(言うまでもなく、検察も官庁の一つ)。

それにしても、元局長からニセの証明書をもらったと供述して事件の発端を作った凜の会元代表なる人物が昨日の番組で、その辺のところは思い出せないと、イケシャーシャー語っていたのにはあきれたね。これほどの騒動を引き起こしといて、どういう神経だ。

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