蒲田耕二の発言

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ベビーカー

2014-04-11 | 社会
の使用にご理解を、と鉄道会社が呼び掛けたら、迷惑だ、場所塞ぎだと心が寒くなるような反論が殺到したそうだ。安倍の独断専行体質が日本社会のヤンキー化(強者おもねり、弱者踏みつけ)を加速しているという記事をどこかで読んだが、これもその一端かね。

ベビーカーというと、何年前だったか地下鉄車内で見た光景を思い出す。

オレの向かい側のシートに、30代半ばとおぼしい母親と3人の子供たちがいた。お母さんの左側に5~6歳のお兄ちゃん、右側に3歳ぐらいのやんちゃそうな坊や。シートの前に駐めたベビーカーの中では、生まれたばかりらしい赤ん坊がスヤスヤ眠っていた。

無口なお兄ちゃんと対照的に、賑やかにはしゃぎまくっていた坊やが急におとなしくなったかと思うと、目をパチパチしばたたき始めた。まぶたを開けているのもやっとの有様だ。

お母さん、その様子を見て取るとあわてず騒がず、ベビーカーのカバーを畳んで赤ん坊を抱き上げ、左のお兄ちゃんに預けた。次いで右の坊やを抱き上げるとベビーカーの中へ。坊やは電池が切れたオモチャみたいに、コトンと寝てしまった。

お母さんの手が空くと、お兄ちゃんは抱っこしていた赤ん坊を黙ってお母さんに渡す。親子のスムースな一連の動作を支えていた潤滑油は、信頼関係ではなかったかと思う。

信頼で結ばれた親子には、落ち着きがある。自然なディグニティがある。こういう親子は、たとえ混雑した車内でかなりの空間を占有しようとも、同乗者に不快感を与えないものだ。

そして愚痴の多い母親、陰口の多い母親は、子供とのあいだに信頼関係を築くことが決してない。

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