6月7日に谷崎潤一郎『秘密』のコラボレーション本をご紹介しました。
あれを書いてから「ちょっと待てよ...」と他にコラボレーション本があったはずだと記憶をたどっておりました。
そして恥ずかしながら思い出しました。
『苦い旋律』原作・梶山季之 絵・上村一夫です。
凄いコラボレーションですよね。
1973年に少年画報社から出版されています。
上村氏のウェブサイトに詳細情報があります→上村一夫公式サイト
その巻頭には、梶山氏と上村氏の巻頭言が書かれています。
上村氏のものはとても奥が深い。
“現代の乾いた愛″を描く 上村一夫
私は以前から梶山作品のファンであった。
梶山氏の作品中には、およそ考えられる異常なセックス描写がすべてある。しかし、それらは決して不健康な感じはない。
何が異常なセックスで、何が正常なセックスなのかを、読み手に問いかけなおさせるような力があった。
この健康さは、私の絵のテーマである”甘い乾き”と通じるところがあるような気がした。『苦い施律』を読んだ時には、特に共感をおぼえた。
梶山氏が描いた"現代文明の中の乾いた愛”を絵で表現したいと思った。それで、梶山氏に御無理を願った次第である。
描きつくせないところがあったかも知れないが、”健康さ”だけはそこなわれていないといえる自負はある。と同時に、この作品が私の仕事の上での、一つの句読点になったと思う。
出所:前掲書
私も久々に本棚から取り出して上村氏の『苦い旋律』を読み直しました。
女装や同性愛を描いていても、ページからはどろどろした不健康さは全く感ぜず、まさに「乾いた愛」を登場人物たちは演じています。
そして上村氏の描く主人公・一貫寺邦子の可憐さに改めて驚きます。
出所:前掲書
ただ残念なことには、この劇画は絶版です。
amazonでも古書出品されません。
読みたい方は古書店のサイトやヤフオクを丹念に探してみてください。
今夜は改めて上村一夫の描く苦い旋律を楽しむことにします。
みなさん、よい週末をお過ごしください。
あれを書いてから「ちょっと待てよ...」と他にコラボレーション本があったはずだと記憶をたどっておりました。
そして恥ずかしながら思い出しました。
『苦い旋律』原作・梶山季之 絵・上村一夫です。
凄いコラボレーションですよね。
1973年に少年画報社から出版されています。
上村氏のウェブサイトに詳細情報があります→上村一夫公式サイト
その巻頭には、梶山氏と上村氏の巻頭言が書かれています。
上村氏のものはとても奥が深い。
“現代の乾いた愛″を描く 上村一夫
私は以前から梶山作品のファンであった。
梶山氏の作品中には、およそ考えられる異常なセックス描写がすべてある。しかし、それらは決して不健康な感じはない。
何が異常なセックスで、何が正常なセックスなのかを、読み手に問いかけなおさせるような力があった。
この健康さは、私の絵のテーマである”甘い乾き”と通じるところがあるような気がした。『苦い施律』を読んだ時には、特に共感をおぼえた。
梶山氏が描いた"現代文明の中の乾いた愛”を絵で表現したいと思った。それで、梶山氏に御無理を願った次第である。
描きつくせないところがあったかも知れないが、”健康さ”だけはそこなわれていないといえる自負はある。と同時に、この作品が私の仕事の上での、一つの句読点になったと思う。
出所:前掲書
私も久々に本棚から取り出して上村氏の『苦い旋律』を読み直しました。
女装や同性愛を描いていても、ページからはどろどろした不健康さは全く感ぜず、まさに「乾いた愛」を登場人物たちは演じています。
そして上村氏の描く主人公・一貫寺邦子の可憐さに改めて驚きます。
出所:前掲書
ただ残念なことには、この劇画は絶版です。
amazonでも古書出品されません。
読みたい方は古書店のサイトやヤフオクを丹念に探してみてください。
今夜は改めて上村一夫の描く苦い旋律を楽しむことにします。
みなさん、よい週末をお過ごしください。