おはようございます。
連休後半はいい天気ですね。
昨日は県民公園でピクニックしてきました。
ノンアルコールビールを飲んで、新緑と日差しを楽しんでいるストレスも解消です。
さて、連休ですので、風俗奇譚のコピーを整理していました。
1973年11月の風俗奇譚の女装愛好の部屋に福島の富貴クラブの会員さんのお手紙がありました。
ちょっと早いですが、夏祭りの話題です。
★福島からのお便り
先日、思いがけなく会長さんのご来訪です。五、六年もクラブにご無沙汰し、すっかり忘れられた存在と思っていたので、びっくりするやら、うれしくなったり、いずれ家庭事情の変化を待って、またクラブにおじゃましたいと考えております。
会長さんのおいでになった八月は、東北の祭り、祭り、盆踊り、盆踊り……いたるところオン・パレードです。
そこで一夜、H温泉の盆踊りを見に行ったとお思いください。当日は観光客でにぎわい、たいへんな人出でした。町のはずれに特設されたヤグラと屋台の上では、太鼓や笛、鐘に合わせて、当地の芸者連があでやかに舞い続け、それを囲む広場では、五重六重の人垣が輪になり、踊り狂っているのです。皆、楽しそうでした。
そのうち、ふと私のわき腹を会長がこづくではありませんか。
「………………」会長の目は、今しも私たちの目の前を踊りつつ過ぎようとしている中ほどの、浴衣に赤い湯文字を出し、赤緒の草履で、編み笠に顔を隠した若い女性に向けられているのです。
「奇麗な女ですね。商売人、芸者でしょうか」と小声でいうと、「よく見てごらん、アレは男だ。メケているんだよ」と言われて、あわてて目を凝らしましたが、その女はいま白い横顔を見せて、踊り過ぎるところで、顔だちはよく見られなかったのですが、スラリと背も高く、優しい手ぶりだけ印象に残りました。
アレが男かと私は半信半疑でしたが、再び彼女が一巡しての前にくる時は、目を凝らして観察したものです。真っ白くおしろいを塗り、ルージュもくっきりと鼻筋の通った細面は、他の踊り手に見られない美貌でした。
男かと思って見ると、輪郭の整いすぎた美貌は女にないものがあります。私は、会長の目の早いのに二度びっくりです。
踊りが中断された休憩時間、会長と私は一息、風を入れている彼女に近づきました。手招きすると不審顔で近づいてきた彼女に会長が、「あんた男だネ。でも、すばらしく美人だネ。うまく化粧したもんだ」と頭から男と決めての話しかけに、私はそのタイミングのよさに、また驚きでした。
やっぱり彼女は女装した男でした。踊りが終わってから彼を誘い、しばらく雑談しましたが、彼は、近くのI市のガソリンスタンドに勤めていること、FK詰はずっと愛読し、われわれの富貴クラブのことなどよく知っていると楽しそうに語りました。クラブに入会したい気持ちはあるが、不便なI市から東京に出るのは大変なことと、薄給なので実行できないのが残念と、いろいろ話し、私が同じF県で会員であるというと、目を丸くして驚きました。
彼・K君とは、その後一回会いました。私がクラブの話をすると目を輝かし、羨望に絶えない様子でした。機会を見て、私もまたクラブに復帰したいし、K君もぜひ仲間に入れたいものと思っております(福島・湯本)
出所:『風俗奇譚』1973年11月号
女装して踊るというのは大変なことだと思います。
そしてごつごつした男性の身体ラインをどう隠すか。
このなかで女性として踊り、違和感を持たせない、いや美人と思わせることは本当にすごいですね。
連休後半はいい天気ですね。
昨日は県民公園でピクニックしてきました。
ノンアルコールビールを飲んで、新緑と日差しを楽しんでいるストレスも解消です。
さて、連休ですので、風俗奇譚のコピーを整理していました。
1973年11月の風俗奇譚の女装愛好の部屋に福島の富貴クラブの会員さんのお手紙がありました。
ちょっと早いですが、夏祭りの話題です。
★福島からのお便り
先日、思いがけなく会長さんのご来訪です。五、六年もクラブにご無沙汰し、すっかり忘れられた存在と思っていたので、びっくりするやら、うれしくなったり、いずれ家庭事情の変化を待って、またクラブにおじゃましたいと考えております。
会長さんのおいでになった八月は、東北の祭り、祭り、盆踊り、盆踊り……いたるところオン・パレードです。
そこで一夜、H温泉の盆踊りを見に行ったとお思いください。当日は観光客でにぎわい、たいへんな人出でした。町のはずれに特設されたヤグラと屋台の上では、太鼓や笛、鐘に合わせて、当地の芸者連があでやかに舞い続け、それを囲む広場では、五重六重の人垣が輪になり、踊り狂っているのです。皆、楽しそうでした。
そのうち、ふと私のわき腹を会長がこづくではありませんか。
「………………」会長の目は、今しも私たちの目の前を踊りつつ過ぎようとしている中ほどの、浴衣に赤い湯文字を出し、赤緒の草履で、編み笠に顔を隠した若い女性に向けられているのです。
「奇麗な女ですね。商売人、芸者でしょうか」と小声でいうと、「よく見てごらん、アレは男だ。メケているんだよ」と言われて、あわてて目を凝らしましたが、その女はいま白い横顔を見せて、踊り過ぎるところで、顔だちはよく見られなかったのですが、スラリと背も高く、優しい手ぶりだけ印象に残りました。
アレが男かと私は半信半疑でしたが、再び彼女が一巡しての前にくる時は、目を凝らして観察したものです。真っ白くおしろいを塗り、ルージュもくっきりと鼻筋の通った細面は、他の踊り手に見られない美貌でした。
男かと思って見ると、輪郭の整いすぎた美貌は女にないものがあります。私は、会長の目の早いのに二度びっくりです。
踊りが中断された休憩時間、会長と私は一息、風を入れている彼女に近づきました。手招きすると不審顔で近づいてきた彼女に会長が、「あんた男だネ。でも、すばらしく美人だネ。うまく化粧したもんだ」と頭から男と決めての話しかけに、私はそのタイミングのよさに、また驚きでした。
やっぱり彼女は女装した男でした。踊りが終わってから彼を誘い、しばらく雑談しましたが、彼は、近くのI市のガソリンスタンドに勤めていること、FK詰はずっと愛読し、われわれの富貴クラブのことなどよく知っていると楽しそうに語りました。クラブに入会したい気持ちはあるが、不便なI市から東京に出るのは大変なことと、薄給なので実行できないのが残念と、いろいろ話し、私が同じF県で会員であるというと、目を丸くして驚きました。
彼・K君とは、その後一回会いました。私がクラブの話をすると目を輝かし、羨望に絶えない様子でした。機会を見て、私もまたクラブに復帰したいし、K君もぜひ仲間に入れたいものと思っております(福島・湯本)
出所:『風俗奇譚』1973年11月号
女装して踊るというのは大変なことだと思います。
そしてごつごつした男性の身体ラインをどう隠すか。
このなかで女性として踊り、違和感を持たせない、いや美人と思わせることは本当にすごいですね。