女装子愛好クラブ

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上野男娼館(3)

2024年12月09日 | ★女装体験記
続きです。

 ある夜、若くてやせぎすの、美人ではないが妙にセクシーな男娼とプレイしたときは強烈でした。あたしの背中に足を巻きつけて、女以上のよがり声を上げるのです。

 男がアナルでそんなに快感をおぼえるものかと驚いたのです。話によると彼は有名な演技派でボスの愛人でしかもここの稼ぎがしらだそうです。その上彼は昼間は都の職員だというから笑っちゃいます。だって、ここは東京都の施設であり管理者は当然都の駅員かそれに近い人間に違いないですから一体どうなっているのって感じです。

 このセクシーな彼からいろいろなこと、いわばオカマのテクニックを敦えられました。殿方に誘われたとき「あたしと何がしたいの」というセリフ、それも彼から覚えたものです。

 あの頃、上野に男娼の館があったことも、今思うと妙に現実感がありません。強烈な体験をした筈なのにです。余りにも非現実な世界なので現実の思い出から遊離して、夢のような気がしているのかも知れません。

 売春防止法施行以後、全国の売春地帯が閉鎖されたあとに、男娼というだけで売春が都の施設の中で公然と行なわれていた事実すら非現実なことです。
 さほど年月も経っていないのに色褪せて頼りなくなっていくあれは、あたしの中でイメージされた憧れの快楽の世界だったのかも知れないし、あるいは女装は異端であり続けたいと思う願望の夢なのかも知れません。だって建物の構造や、店の数、遊びの値段、上納金の額等、聞いてはいてもすべて漠然として何ひとつ正確な記憶がありませんから。

 もし正確に御記憶の方がおいででした是非お教え下さい。
 あたしの夢が夢ではなく現実である事をもう一度確認し、暗い通路に点々と並ぶ赤い灯りは幻でなかったと思いたいのです。 
 その他の方々も感想をおきかせ下されば幸いです。
                    乱 桐子  

                          (出所 『くいーん』1993年6月号)

>あたしの夢が夢ではなく現実である事をもう一度確認し、暗い通路に点々と並ぶ赤い灯りは幻でなかったと思いたいのです。
夢うつつの世界での記憶が現実であっていてほしいという乱桐子さんの想い、私はよくわかります.....。 




作者の乱桐子さん
コメント
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