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自分らしいお葬式やお墓を考えましょう。

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生前準備の流行

2019-03-18 10:40:17 | 日記
 週刊誌の見出しに「生前準備」が非常に多くなりました。今朝の新聞の広告にも「死後の手続きと相続」と銘打って、「遺産相続」の問題、葬式・墓の問題が提起されています。死ぬ前にやっておくこととして、他人事ではないから、これだけの記事になり、売れるのでしょう。
 先週行われたわたしの講座も、「慣習・しきたり・伝統とわたしの最期を考える」がテーマでした。参加者が予想外の人数でした。何を期待してこられるかはだいたい想像できますが、週刊誌の見出しの内容を期待されていると思います。
 でも、わたしの話はみなさんの期待を裏切っています。その一番の原因は、「ジェンダー平等」を視点に話すからです。「慣習・しきたり・伝統」がおかしいと思っていない人に気がついてもらいたいと思っているからです。
 死後の問題の「慣習・しきたり・伝統」は、近世にできた檀家制度と近代にできた家制度です。
 檀家制度は、江戸幕府がキリシタン禁制を敷き、どの家も仏教徒であることを証明するための制度です。本末制度もいい、寺請制度もいいます。平安時代・鎌倉時代に多くを輩出した宗祖を開祖として宗派がつくられた仏教が本山に所属する末寺をもち、その末寺に所属する檀家を形成したものです。
 檀家からいいますと、自分の所属する寺によって、自分の家族の宗派が決定します。例えば、わたしが生まれた実家は浄土真宗本願寺派です。その寺に所属する檀家(浄土真宗では門徒といいます)は、生まれたら浄土真宗本願寺派の門徒です。自分で意識して宗派を変えたいと思う人はまずいなかったでしょう。檀家となれば、その寺を支えていくことになり、自分の家族の葬式・法事をやってもらうことになります。寺を支えるのは、寺族の経済を支えることであり、本堂や庫裡(庫裡とは寺族が生活する場、中には庫裡の維持はまったく関係ないという寺院もある)の維持を維持していくことです。わたしの実家の寺など小さいものですが、それでも本堂がいつまでも丈夫のままでいるわけがありません。屋根の葺き替えや畳の入れ替えなど、わたしが記憶しているだけでもいろいろ門徒の人のお世話になって維持されているのです。
 その檀家制度下で、もっとも寺院が罪なことを行ってきたのは、布教の内容です。「業論」といいます。「後生の一大事」といわれた死んだ先が重要だと思われていた近世の時代に、「悪因悪果、善因善果」論を説いたのです。それもどうしようもない行いではなく、身分についていったのです。「女・被差別民・障害者・ハンセン病(当時はライ病者)などの差別されている人々」は前世(過去世9に悪因があるから、そうした身分に生まれてきた、そして、その現世のありようが因となって来世地獄に堕ちると教えたのです。自分ではどうすることもできない前世の悪因を持ち出すのですから、それにあてはまる人々は抗うことができません。その悪因が「罪深い存在者」とのレッテルを貼られたのですから、ジェンダー不平等そのものです。
 また、「現世利益(げんぜりやく)信仰」につながるので、現在生きているときに何か不都合なこと、大変なこと、しんどいこと、困ることが起こるのは、法事をしていないせいとかいわれたら、それもどうしようないことで、法事をすることになります。祟り(たたり)信仰といってもいいです。そこにも自分で抗うことができないので、また身の上にあてはまることなので、仏教者や宗教者のいうことを聞く信者さんの存在があったのです。
 来世に用意された地獄と極楽の極楽に生まれる方法を説いたのが、「信仰」をもつことです。そういう人々が寺にお参りし、住職や説教師(布教師)の話を聞き、信仰をもったことは疑いのないことです。
 この業論こそ、支配者である幕府の都合のよいものであり、本末制度をうまく機能させたのです。この仏教者による布教の罪深さを仏教者自身が問わなければならないのですが、いまだに、そういう話を聞いたことがありません。
 とくに罪深い存在とされた女性は、文章として残っています。「男にまさりて罪深い」存在が、女性でした。

 現在、そういうことがわかったなら、女性が嫌だと思うなら、どうしたらよいのでしょう。そういう文書を差別としてまずは認めるところから始まるのではないでしょうか。女性がいやという反応を受け止めることができない人がいるのですが、どうしたらよいのでしょう。
 そして、それをどうしていくのかを考えていくのではないでしょうか。
 長くなったので、今日はここまでにしておきます。
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