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2021年10月9日 産経新聞 p.8 「働かないおじさん」をなくすには

2021-10-09 | 昼間のエッセー
211009_「働かないおじさん」をなくすには

 2021年10月9日 産経新聞 p.8 「働かないおじさん」をなくすには

 昔は、55歳が定年だった。
 みんな、56歳からは(仕事をしなくてもよくなり、年金ももらえるので)自由にやりたいことやろう、という、それを希望として働いた。

 そのうち、55歳の定年が60歳に延びた。
 寿命が延び、56歳から30年とか40年とか長生きする人がほとんどとなった。
 こんなに長生きされたのでは、年金を支払う側(会社・国)は、支払い不能状態となってしまう。

 そこで、会社側と国側は、定年を55歳から60歳に延ばし、年金の支払額を減らすことを算段した。
 しかし、人々はさらに長生きするようになった。
 長生きすれば、それだけトータルの生活費は大きくなる。

 「働かないおじさん」は、こんどは、生活費が足りなくなったので、昔のように「定年後は、やりたいことをやろう」などと甘ったれたことを言っていられる状態ではなくなった。
 国と会社に、定年後も「給料は四分の一、あるいは八分の一でもいいですから、何とか働かせてください」と言わざるを得ない状態になってしまった。

 さらに「おじさん」はいう。
 「70歳まで働かせて下さい」

 ということで、会社と国は、生きてゆけない人が増えるのも困るから、「四分の一、八分の一の給料を払って60歳から10年間は働いてもらうか」ということになった。

 さらに、その次に何が来るかといえば、「75歳まで働いてもらうか」、「80歳まで働いてもらうか」ということになるだろう。
 以上