ゆうとたいへ

六十を過ぎて始めた自転車旅行、山登りをつづります

2020年7月24日 今の子供たちは東京オリンピックで起きたことを想像できるのだろうか?

2020-07-24 | 昼間のエッセー
200724_今の子供たちは東京オリンピックで起きたことを想像できるのだろうか?

 2020年7月24日 産経新聞 p.6

 このページに、1964年東京オリンピックに出場した有名な選手の写真が出ている。

 柔道「金」 岡野功さん(76歳)
 レスリング「金」 吉田義勝さん(78歳)
 陸上ハンマー投げ13位 菅原武男さん(82歳)
 バレーボール女子「金」 谷田絹子さん(80歳)
 重量挙げ「金」 三宅義信(80歳)
 体操女子団体「銅」 相原俊子さん(81歳)
 マラソン8位 君原健二さん(79歳)
 女子100メートル背泳ぎ4位 田中聡子さん(78歳)
 サッカー8強 山口芳忠さん(75歳)

 私はいまでもこの方たちの姿を、テレビで見たことをはっきりと覚えている。
 もう、56年も前のことであるが。

 ・・・・

 私が小学生のとき、母親は何度も東京の大空襲の話をしてくれた。
 母は空襲の時、19歳で東京にいた。
 
 <母の話>
 「夜、B29が空の上を飛んできた。
 B29は、下からサーチライトの光に照らされ銀色に輝いていた。
 その胴体からは、銀色の筒が何本も落ちてきて、筒は途中で割れ、無数の焼夷弾が空中にばらまかれた。
 地上は、あたり一面火災が起きており、火が松の木に燃え移るとそこだけ松の油のせいで大きく燃え上がった。
 皆、水びたしにした布団を用意しておいて、庭の土の中に突きささり、尾部から炎をふきだしている焼夷弾めがけて走って行って、その水浸しの布団をかぶせた」

 私は、子供の時、この話を聞いても、なんの実感もわかなかった。
 私の周りにはそれを想像するのに役にたつような、例えば、焼け残った建物とか、穴のあいた道路とか、焼けた松の木とか、そんなものは一つもなかった。
 私がその話を聞いたのは、戦争が終わってまだ19年しか経っていなかった時にもかかわらず、だ。


 2020年7月24日付産経新聞より引用
 
 前回の東京オリンピックから56年が過ぎた。
 今の子供たちは、大人からオリンピックの話を聞いても、わからないだろう。
 今の子供達にとって56年前のオリンピックは、我々が子供の時19年前の戦争がイメージできなかったように、イメージできないだろうな。
 
 「56年前」とはどのくらい遠い昔だろうか?

 1964年、当時私は15歳。
 1964年の56年前は、
 日露戦争が終わって3年目の年、
 アメリカでは日本人排斥運動が起きていた。

 15歳の私にとって、56年前の出来事とは、学校で「歴史」として勉強し、試験でいい成績が取れるよう暗記すべきことだった。

 以上

最新の画像もっと見る

コメントを投稿