ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

See you .またね

2010-01-09 08:56:37 | Weblog
目に涙を一杯ためて、
「レイコサン ありが・とう・ご・ざ・い・ました」
「いいえ、デナーダ(どういたしましてのスペイン語。これはもう共通語)。
 しっかりお勉強してね。又会いましょう」
「どこで?」
「イギリスでかな?」
「いつでもいらしてください、待ってます」
ここで外国人同士なら抱き合うのでしょうが、あたくしが握手もハグも好き
ではないって知ってる彼女は、佇むだけです、涙を目にためて。
「さ、早く行きなさい。・・・行ってらっしゃい!」
「はい、行って来ます」
"See you."
最寄駅改札口での別れです。


彼女の日本の休日は終わりました。
駅まで、セニョール・ダンが運転する車中で、
「楽しんだ?」
「はい、楽しかった」
「よかったわぁ」
「あ~、でももうおしまいなのね」
感慨深げに通り過ぎる景色を見ていました。

夕べは、8時半に最後の友人とのデートを終えて帰宅。
お魚・お野菜大好きな彼女と囲む「鍋」です。最後の夜のお酒はお燗をした
日本酒。小さな盃で飲む日本酒は風情があり、鍋によく合います。
ウチの宇宙人と3人で、言語に関して、本に関して盛り上がります。
「レイコサン、今日はお勉強しましたか?」
「ううん、本を読んでたわ。1冊もうすぐ終わり」
「俺はたった2冊だよ、今日の読書は」
「エ~ッ2冊も?」
「うん、少ないね」
彼女は1000ページにもなる、しかもやたら文字が小さいディケンズの本
を持参して読んでいます。5~6センチの厚さ。
「なかなか進まなくて。古い言い方だったりするから」
「表現が?」
「そうなのよ」
いわゆるベストセラーには興味がなく、そんな本を読む大人に批判的です。
「ダヴィンチ・コード」の作者、ダン・ブラウンなんて、ボロクソです。
「ダン・ブラウンの文章は小学生みたいよ」
ですって。
あたくしが、
「ダヴィンチ・コードはまあまあだったけど、次の天使と悪魔だったかなぁ?
 そっちの方は面白かったわよ。ダヴィンチ・コードの映画は戴けなかった
 けどね。あれは、ミスキャスト」
「トム・ハンクスの?」
「そう」

「そろそろ寝ましょう。明日はちょっと早く起きなきゃいけないでしょう」
「はい、おやすみなさ~い」
「おやすみなさい」

コーヒーとパン。いつもの軽い朝食です彼女の。
「パスポート出しとかなきゃ」
リュックの中にはなく、乗ってジッパーを閉めたというギッシリ詰まった
旅行かばんを開けて(詰めに詰めたり)、どうにか手を突っ込んで、パスポー
トを出しました。
「パスモ返します」
「ううん、期限なしだから、持ってて。次に使いましょうよ」
「はい、わかりました」

12時間ちょっとのフライト。9時間の時差のあるイギリスです。
彼女が着くのは今日の午後3時。
今までは日本人女性と同居でしたが、どうやらイギリスを引き上げる事になっ
た同居者は、まだイギリスへ向かいません。なので、彼女はテムズ川側の広い
広いお父様(たま~に顔を出す)所有のアパート(日本で言うマンション)で
一人住まいの日々が始まります。

前回と違って、別れって感じはしません。
姪のような、身内の子がちょっと長期旅行へ旅立つのを見送るような。
近い将来、又会えるような気がしています。 行ってらっしゃ~~~い!